2009年4月30日 (木)

<ユーミン>という商品のスゴサ?

どこでもユーミンネタとか音楽ネタはつきませんが、
池田blogでもときどき音楽ネタがあるみたいで、
今回は「そしてもう一度夢見るだろう」!です。

今や音楽は典型的な商品だし、完璧に個人のオーダーだし、激しい消耗品でもあるし、
なにより受動性の高い、それだけに心理的な心的現象的なものだし…。
だからこそ病理?としても…
汎用性のあるサンプルでもあるでしょう、あらゆる音楽と音は…。
それは人間の<関係性>の原点であり<社会性>のトリガーや象徴でもあるからです。

4月7日に池田blogの「35年目の松任谷由実」のコメントで書いたのは以下でした。
今回の「そしてもう一度夢見るだろう」にはもっと書いてしまいましたが…。w
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ユーミンは倍音のピークが2つ以上ある (Y-BAT) 2009-04-07 09:02:14

…ホルマント構造の声でその典型がホーミーです。もちろんホーミーの方が2つ以上の倍音のピークの等価度が高いです。簡単にいうとハ長調(ドが根音)の曲でファの音がよく鳴っている感じ。4度音ですね。

ユーミン自ら負けを認めたのは小室哲哉だけでした。小室の特徴も4度音を強調するものでアマチュア時代からミュージシャンの間では「4度音の小室」で有名?でした。西欧クラシックが支配権を確立していく間に4度音の地位は落ちて行きます。あるいは4度音の価値の低下がクラシックのが確立していく過程です。ウェーバーの音楽社会学に書かれているようですね。
「展覧会の絵」のような印象的な曲は4度音の価値が高く、それは非西欧の特徴です。宇多田も4度音が強調されてるようです。
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●マーケティング
 音楽産業のコーディネーション?を考えると、音楽レーベル(レコード会社のブランド?)の生産するものとオーディエンスの要求するもののギャップ?が問題で、そこで消費者の要求(嗜好)を探ってマーケティングしてきたのがTK・小室哲哉氏。TMNでアニソン系のコア?なファン15万人という限界を超えることに苦心した結果として、そこで音楽は芸術というキレイゴトをやめて産業化と市場化への覚悟を求められたワケです。もちろんこれは音楽産業全体がバブルの頃からシフトしていく契機でもあったハズ。アドルノ(浅田彰氏も)はアメリカにおけるジャズのこういう産業化に批判的だったのかな? 日本ではニューアカで知識は商品になったハズ(ホントはバレただけ)だから別に新しいことじゃないですが。

 TKの仕事を支えたようなテクノロジーの発展は、そういったハードの供給の面で音楽を消費者のものにした側面があります。サンプリングからDTM、自動演奏、楽曲生成の自動化などテクノロジーによるイノベーションはレコード会社や音楽産業のあり方を変えました。
 また音楽家の位置づけや経済的な問題をフォーカスしたのもTKでした。

●音から共同性へ
 街のどこかで鳴っている音、ホームの電車が発車するサインとしての音や、交差点での音声による誘導だとか、豆腐屋の笛だとか、教会の鐘の音などの典型的なものもありますが、そういうサウンドスケープ?に共同性(共同体)を見出そうとするアプローチをもっているのが(自分が知る限りでは)小沼純一氏や小室哲哉氏でした。坂本龍一氏は音の変成によるオーディエンスへの影響?の変化などには興味があったようですが…。

 レコード会社が売りたい音楽があって、オーディエンスが聴きたい音楽がある。そのギャップは結構大きかったりしますが、聴きたい音や音楽をリサーチする時にホントにあるいは根本的に必要なのは、サウンドスケープとしたときにそのバックとなるもの。極論すれば、その根本のセントラルドグマには<母体音>や<胎内音>があるワケです。そしてオーディエンスの成長時の環境。近藤等則氏であれば機械音に囲まれた家、鍛冶屋?だったオヤジさんとか、ですね。

●音と音楽の根源
 経済的側面を離れれば音楽という商品と産業はもっとも人間(性)に左右されるジャンルなので、その心理的な側面にウエイトはあると思います。

 胎児が母体から受けるサインは細胞のイオン反応のスピードで10000分の1秒です。人間が感得できる音の変化は2000分の1秒なので、それ(音速)より5倍以上速い。人間は成人しても生涯この10000分の1秒というスピードで実母の母音に反応(もちろん無意識下で)することがわかっています。

 「「音楽は郷愁だから」という原点」で書きましたが、ユーミンは常に原点を確認していて原点から始まり原点へ戻っていく…というスタイルで音や音楽に臨んでると思います。
 音楽の初源がこういうところに、つまり心身の根源にあるのは確かでしょう。

 元来人間を取り巻く自然の音(風、波、鳥や獣の鳴き声など)と神からの啓示(言葉的なるもの)を連続音として再現したのが音楽だとすれば、音楽への嗜好の変化はオーディエンスの何か大きな変化を現わしているものかもしれません。

 <巫女>にたとえられたりもするユーミンの理由がココにあります。

           
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