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2010年10月12日 (火)

「一週間de資本論」&資本論はテキトーか?

昨日は「一週間de資本論」の再々放送があったとか…

  マルクスは、シャトーマルゴーといった高級ワインを日頃飲んでいる人なんです

マルクスが日頃から馬術、拳銃、ワインなどオタク的な趣味の人だったことを的場さんが披露。森永さんの「マルクスっていい人ですねえ」の一言が印象的でした。恋愛で決闘したことやお手伝いに隠し子を産ませたことは披露されませんでしたが…。さらにワインについて言及すると資本論の理論が崩壊するから、というようなことをマルクス自身が示唆していた?こともコメントされました。

ココなりのタネあかしをすると、資本論が理論として成立する範囲内で理論化した…というのが資本論の基本的なスタンスになります。これは理論や思想の評価水準、表象の仕方がTPOで異なることを考察した『ドイツ・イデオロギー』や、マルクスの歴史観そのものでありスタンスです。また資本論の諸概念の一刀両断的な措定はエンゲルスの働きだったと思われますが、資本主義のモデリングには効果的だったかもしれません。

物質的な基盤の発展ではなく、それにともなう文化や言語や思想や感性の変遷そのものがマルクスの興味であるのはマルクス自身が述べています。

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マルクスがお気に入りのワインや、森永さんが集め続けて10万個にもなったミニカー、一体で10数億円もする村上隆さんのフィギュアなどは特殊商品であり、そういった特殊商品はマルクスが理論化を回避?したということみたいですが…。いちばんの特殊商品である貨幣については、その価値が追究されているのは資本論だけかもしれません

不足に備えての用意だった商品のストックから、やがて何にでも交換できる商品としての貨幣が登場します。この解釈はアダム・スミスからのものですが『ハイ・イメージ論』でその解説がされています。

このアダム・スミス的な認識の延長からは、貨幣は<価値の予期>であるという定義が可能です。あるいは商品の予期としての貨幣が措定できます。

商品が足りなくなる無くなってしまうことへのヘッジとして商品がストックされ、時間的な問題が解決します。さらにはストックの交換可能性を空間的に無限遠に広げるものとしての商品の抽象化=貨幣の産出・生成が考えられます

番組では(解釈の一つとして)資本論では特殊な商品である金が貨幣になったと解説されます。そもそも金に価値が見出された由来そのものがあらゆる商品のヘッジだったはずです。

ヘッジファンドがグローバルマネーのコアであることは確かですが、そこにメガトレンドを見いだせるかどうかを問われるのが現在でしょう。何かを見出すとはもちろん認識力であり思考能力です。

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マルクスをめぐる評価はいろいろありますが、もっとも基本的な評価は『資本論』の資本主義分析は的確かどうか?というもの。具体的には労働価値説や剰余価値説の問題、資本主義の限界と共産主義という解決?の問題などいろいろあります。

労働価値説や剰余価値説を否定するのに援用されるのが効用価値説ですが、主観的であり数値化、客観化が困難です。そもそも生産のコストを数値化しようとする労働価値や剰余価値と消費と享受の実相を測ろうとする効用価値は比較可能なものではありません

生産と消費における価値のカップリングが資本主義全体における価値であって、労働価値と効用価値を別々に取り上げ対立するかのように考えるほうがオカシイのです。

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