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2009年7月18日 (土)

マルクスブームいろいろ

●自分の<マルクス>は…

『資本論』を読み通すのは大変です!! しかも理解できたかどうかとなると絶無かもしれません!? 自分も半端に理解するよりテッテー的に理解したいと思い『経哲』『ドイデ』を読みました! マンガの資本論や資本論のガイドはたくさんありますが、そういうのを一度読み通してみるのもいいかもしれませんネ。何となくでも全体のイメージがつかめればイイかも。

ちょっとツッコミいれれば…『資本論』は壮大な体系ですが、そもそも労働価値説がバグってきたように、当時のイギリスあるいはロンドンの資本主義への分析としてはOKでも、普遍的な意味では時代や歴史の制約から免れていないと思われます。

ちょっとボケると…絶対に面白いのは『資本論』の前段階であったハズの『経済学批判要綱』の「序説」や「序言」の方でしょう! それから「ブリュメール一八日」とか「パリコミューン」関係の指摘はリアルで現在の日本にとってもイタイものだし。

それから…将来理想的な社会が実現しても…<クレバーとおバカ>、<美人とブス>の違い…といった価値観の違いは残る…ので、どうしたものか…と書籍に書いていたマルクス系の教授がいました。
ついでに…金持ちの価値観では食事は味わうもの>だが、貧乏人の価値観では食事は<空腹を満たす>ものだ…この違いは何か? どこからくる価値観の違いなのか?…といった問題提起を示したり…。弁証法でいう価値の量質転化なんでしょうが…。

前衛芸術なんてロバのしっぽで描いたもの…といった史上最大の社会主義帝国連邦の書記長サマが昔いたらしいですが…完全にハズしてるワケでもないような気もします。ちなみに〝デザインは資本主義的悪〟みたいに見なしていたその帝国の首都モスクワで初のデザイン展を開催したのは当時のセゾングループの堤清二さんだった、と思います。商人はエライですね、と。

●マルクスをめぐる、ズバリ

池田blog「マルクス・ブーム」の以下のような指摘はズバリですね!
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このごろ都内の本屋に「マルクス・コーナー」が目につく。『資本論』が、去年の4倍も売れているという。この週刊東洋経済の特集で識者が推薦している本も、『資本論』が多い。たしかに今でも、資本主義の本質をもっとも深いレベルで明らかにした古典だろう。少なくともこれを読まないで「ネオリベ」を罵倒したり「階級闘争」をあおったりするのは、物笑いのたねになるだけだ。
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●リアルなマルクスとか…

 面白かったのが平田清明氏自身が薦めていたジャックアタリ『情報とエネルギーの人間科学―言葉と道具』。アタリは〝EU最高の知性〟と呼ばれていますが、ミッテラン左翼政権の顧問だったころは〝フランス最高のマルクス主義者〟だったような気がします。左翼政権の顧問を務め、ヨーロッパ復興開発銀行総裁、今は右翼?サルコジ政権でアタリ委員会の長を務めてますが、その有効性や予見は注目に値しますね。最近は近著の『21世紀の歴史――未来の人類から見た世界』も結構読まれていて評判みたいです。プラネットファイナンスの会長として全世界レベルで起業や貧困問題へのファイナンスも行っています。

 『資本論』はハードなので『経済哲学草稿』程度のものを解るまで繰り返し読むのもとっても役に立つかも。恋愛から宗教、国家までわかるとともに、市民社会の変遷が歴史であることがわかります。「資本主義と市民社会」で指摘されていますが「市民社会」の変遷を分析するにはもっとも有効な認識方法だと思います。信者が神格化する神や宗教がこれほど木っ端みじんにバラされちゃう認識方法というのもオソロシイもので、それだけに反発する人も多いのかもしれません。

 市民社会の根拠でありながら市民社会の価値観と対立するのが市民社会の構造である物質的な基盤と経済的カテゴリー…なので、働くの面白くないしとか思っていても、働くとそれだけで社会が変わっていくという事実もあります。それを自覚させるのが本来は社会の仕組みやガバナンスの役目なんですが、官僚が自分優先で自己保身に走り、既得権を保持しようとすると、日本をはじめ、世界のダメさに示唆されるもろもろのザマになっちゃうワケでしょう…。階層の固定化からはじまって。

●面白そうな、マルクス本

『情報とエネルギーの人間科学―言葉と道具』

『21世紀の歴史――未来の人類から見た世界』

『アメリカ後の世界』

『フォイエルバッハ論』

『経済学・哲学草稿』

『「新訳」ドイツ・イデオロギー』

『ルイ・ボナパルトのブリュメール一八日/経済学批判要綱「序説」「資本制生産に先行する諸形態」/経済学批判「序言」/資本論第一巻初版第一章 (マルクス・コレクション)』

『マルクスを超えるマルクス―『経済学批判要綱』研究』

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