« マネーを独占?する国家 | トップページ | <知らない>から貧乏! »

2009年4月 6日 (月)

マイクロソフトが売れた理由

●値段は10分の1

 かつて先行するDR-DOS(デジタルリサーチ社のOS)を追い落としてビル・ゲイツ(MS社)がMD-DOSの売り込みに成功した理由はカンタン。
 「値段はDR社の10分の1でいいですよ。」というゲイツの売り込みがあったから。
 こうしてビル・ゲイツは正々堂々とその市場で独占的な地位を築いたわけですね。

 まもなく日本でもDR-DOSは数か月で駆逐され、MS-DOSの独壇場となり今に至ります。たしかDR-DOSはVer6くらいまで出たと思いますが、すでにMD-DOSの圧倒的優位は変わらず、MS社がPCのOSを独占的に占めました。

●使いやすさ&コラボ

 次のWindowsでも同じ。
 〝窓〟をもち、マウスで操作するOSやシェルは他にもありました。日本でもJustウインドウやダイナウインドウなどはある意味先行していて世界初のスクロールバーがあったりしました。そのダイナウインドウを日本で購入して持ち帰ったのがMS社の研究員。その後発売されたMS-Windowsにはスクロールバーがつき、操作性が断然よくなって普及開始。 Windows3.1からPCのハードの圧倒的な性能向上もあってWindows95がブレイク。時代はWindowsへとシフトしました。ウインテルといわれたマイクロソフトとインテルの蜜月がPCを進化させ、それをベースにインターネットもスタートします。

●internetは政府の強力なバックアップ

 バブルの頃、通信ではNECと富士通の技術者用だったパソコン通信(電話回線)が一般向けに商用となりインターネットに先行していました。まもなくNTTが医療関係のデータ(レントゲン写真やカルテ)通信を企画し、それを知ったアメリカのゴア副大統領は国家安全保障会議の承認のもと国防省のコンピュータ通信回線とプロトコルをインターネットとして一般向けに開放することを決定します。NTTの計画を知って半年後にはアメリカはインターネットの基本回線を「情報ハイウエイ」として発表したわけです。このスピード、国防省の協力、国家安全保障会議におけるネットとプロトコルのバッククップ…。

 そしてネットが要求したのが通信の性能向上。ブラウザーのモザイクが当初から画像に対応していたために画像の転送スピードが問題でした。また日本では(特にNEC)はアルファベットの倍の情報量をもつ2バイトコードである日本語(文字)の表示のためにPCの性能アップに迫られました。そのためPCではないワープロ機という日本独自の発展もあり、家電企業とPC企業が激しい競争となり600万円のワープロはわずかの間に20万円程度になり、その後「1台売るごとに赤字が増える」過当競争を経てワープロはアプリ化してPCにリプレースされていきます。

       -       -       -

 MS社の勝利は「ライバルの10分の1の値段」から始まり、技術の発展と、ハードウエア企業との協力を経て進んできています。ゲイツ氏ひとりでアフリカ諸国のGDP合計に相当する財産を所有しているらしいですが、スタートは大学生のガレージ企業でした。それを世界の覇者にしたのはコストと技術で市場の競争に勝ったことです。ところで『ハイエク 知識 社会の自由主義 (PHP新書)』の「イノベーションに法則はない」でも指摘されていますがスティーブ・ジョブズの成功は「ほとんどまぐれ当たりであり」「画期的な技術でもない」ことが示されています。嫌われるほどの個人的なこだわり?でプロデュースされたのでiPodは売れたのかもしれません。

 一般的にはMS社のように何の変哲もない正攻法が市場で勝利するのでしょう。

 ところで世界不況で外需に頼れず、内需にシフトするしかない日本ですが、そのまだ将来があると思われている内需の代表?でもあるWeb関連やIT関連はまとも?なのでしょうか? そこには〝情報の非対称性〟などがまだまだあって本来のIT産業やネットの価値が発揮されていない可能性もあるのではないでしょうか?

|

« マネーを独占?する国家 | トップページ | <知らない>から貧乏! »

コメント

MSはソフトウェアのネットワーク外部性に初めて注目して拡大したことがイノベーションなのではなかったかと思います。

イノベーションは技術革新とともに人びとのニーズや効用をマッチングさせるコーディネーションも重要だと思います。MSとアップルも後者が得意だったわけですが、アップルはMSのネットワーク外部性戦略に負けて戦略を変えました。

しかしインターネットという新しいネットワークによってMSのネットワーク外部性の土台が崩れ、アップルのシェアが伸びているというのも面白い。イノベーションに法則はないといういい例ですね。

投稿: truf | 2009年4月 7日 (火) 00時42分

そうですね。MSはネットは後追いで対応でしたがOSにレイヤー設けた点なんか見事でした。IBMがパーソナルはMSに任せて、メインフレームはUNIXに任せてみたいな大企業ならではの戦略とアバウトさがあり、ATT発かIBM発かでUNIXに方言があったり、コンピュータ(文化)もとても人間臭いもので興味深いです。企業の仕事の現場だとフリーズの頻度がIBM互換機とアップルをある程度分けたのかとも思います。企業での入札選定ではその辺が論議でしたね。2時間以内にメンテに駆けつけるIBMやNECの信頼と、エバンゲリスト?が多いアップル使ってる現場とのやりとりはどこでも多少混乱気味だったかもしれません。w

復帰したジョブズがゲイツに借金を申し込んだのはカッコよかったです。

投稿: Y-BAT | 2009年4月 7日 (火) 07時49分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マイクロソフトが売れた理由:

« マネーを独占?する国家 | トップページ | <知らない>から貧乏! »