貧困ファンドは究極のトレードオフ?
情報を知らないで、不安なまま世の中を見ると、「資本主義はヘン」とか「市場はオカシイ」になってしまいます。情報に自由にアクセスできるのにそうだとすれば、「ヘン」や「オカシイ」のは、その人そのものでしょうけど。w
情報が公開されていれば資本主義は正常?に発展していく可能性の方が高いです。あらゆる問題の根源にあるのは情報が公開されていないこと? つきつめるとそれはトレードオフに関する情報に関して、です。最貧困層への融資でも利益が上がるほど資本主義は発達してきているのでトレードオフに関して否定的であったり、費用対効果の情報を提供しないのは犯罪的でさえあります。特に政府や230兆円の留保金を抱え込んだままの大企業は。
●ハンパな資本主義がヘン!
資本主義(capitalism)が悪いんじゃない。
資本主義が半分しか完成していないのが問題なのだ
資本主義の解釈が狭すぎるのが問題なんだ
(404 Blog Not Foundの「ムハマド・ユヌス語録」にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏の来日時のコメントが即日掲載されていました。小飼氏の訳です。)
貧困を救うファンドは世界の常識になりつつあり、グラミン銀行のムハマド・ユヌス氏はノーベル平和賞まで受賞しました。フランス左翼政権の頭脳だったジャック・アタリ氏は今やサルコジ政権でも活躍。この個別国家解消を目指してEU成立に奔走したヨーロッパ最高の知性のアタリ氏も、プラネット・ファイナンスという貧困解消のVCは草の根からというファンドで頑張ってます。貧困解消のためにネットの無線通信端末を配布するBRAC-NETや、年に500億円を貧困層に融資しているBRAC-BANK。あのジョージ・ソロスも100億円単位の寄付を行ったりしています。こういったソーシャル・ビジネス、公益資本主義とかCSRの高まりという実効性ある現実の解決だけが意味や価値があります。これはまさしく資本主義と市場の発展の大きな成果ですね。
働かざるもの、飢えるべからず。
著:小飼 弾
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●健全な資本主義は早くも回復!?
本日もCNBCのニュースによるとゴールドマンサックスがGOODです。
業績が予想の倍以上
減配なし
公的資金の早期返済へ
1か月で3割りの株価上昇
サブプライムローンという手続きからしていかがわしかったものにタッチすることなく、この金融危機、経済危機下でまっとうな投資活動、M&A、ヘッジファンドの取り扱いといった業務をこなしているGS。金融経済という名の<マネーでマネーを買う>つまり<信用で信用を買う>、つまるところ<相手を信じる…>ということを究極のよりどころとする信用資本主義そのものであるファイナンスを体現する一角を占めています。
日本国内で誰も再建を請け負わない見捨てられた破綻企業を、日本の企業に代わって請け負った外資はハゲタカといわてきました。しかし、有名外資の管理下で首切りが行われた事実はありません。黒字化して日本企業へ転売された後に首切りが行われるのが現実です。
●邪魔なのは何か?!
230兆円の留保金も持つ日本の大企業がやっていることは下請け企業をピンハネし、派遣を切り、取引先の倒産を眺めることです。外資と比してどちらがまともなのか…。そしてそれを眺めているのが政府と官僚…?
貧困層へ莫大な投資を続けシリアスな現実を知り尽くしているノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏はいいます。
政府は何でも作れるが、いったん作ったものを壊せない
国家という形態をとる以上はこのラジカルな問題が続くと思われます。なぜなら国家という共同幻想は個人の不安な心理に立脚した〝不安を解消するための自己生成するシステム〟(「<不況>と<不安>が生むもの」参照)だからです。不安を解消するためにトレードオフされているのはイメージで、これは自己創出されます。リソースとして客観的な情報を与えないとこのイメージは歪み、病理的には妄想となります。これが不安な時の排外・排他主義、国家主義・民族主義です。あるいは日常でも小さな差別やKYとして発現します。
池田blogの「トレードオフを否定する人々」でトレードオフを否定?する代表例として政府の景気対策があげられています。景気対策の費用を明かさない(当然発生する費用について情報提供公開しない)という究極のトレードオフの否定。実際のあらゆるトレードオフ(選択)に関わる問題の多くが「情報が公開されない」ことなのかもしれません。
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