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2009年4月 8日 (水)

<知らない>から貧乏!

地方の貧困層である農村に通信会社BRAC NETは無線通信のインターネットを設置していきます。配布される装置はWiMAXのデータ通信カードを取り付けたパソコン。目的はまず、貧困解消。

     貧困の原因は情報格差である

村人はネットで都会で売られている自分たちの野菜の値段を知ります。村に来る仲買人の買い取り価格の数倍以上。村人は値段を上げるよう交渉したり、自分たちで都会へ売りに行き、大きな利益を出せるようになるでしょう。〝情報の非対称性〟を理解した村人たちの改革がはじまります…。

NHKスペシャル<沸騰都市>でやっていたのが「ダッカ “奇跡”を呼ぶ融資」

〝情報の非対称性〟の解消に挑むのは22Fの超高層ビルを本部に持つ世界最大のNGOでBRAC。貧困層が多い農村にはその銀行部門BRAC BANKが融資しています。

 BRACの創始者はファズル・ハサン・アベッド
 スタッフ11万人
 融資件数10万件以上

アベッド氏は言います。

「貧しい人は自力で成長すると信じている」

それに

「政府も誰も助けてはくれない」

BRACの経営するデパートでは農村で作ったファッション物を売っています。価格は一般の3倍ほど。それでもよく売れます。いまやBRACはファッションブランドでもあるからです。その利益は貧困解消を目指し年に500億円を貧困層へ融資しているBRACを支えています。返済率は99.5%、利子(支払い配当?)は15%ですが債務者5名で一組の連帯責任になっているので双方に安心感があり、安定して継続的な融資が行われるようになっています。

政府国家の援助に期待せず(事実上拒否?)、利子を取ることなく、農村と都会のスラム街の最貧困層の自立を促すのが目的。救済とか援助ではなく自立を促すというニュアンスがポイント。この貧困層の経済的活動をメインにバングラデシュのGDP6%成長が5年間も維持されているからです。人件費は中国の3分の1。

国内では情報の非対称性をネットで解消しながら貧困層の成長を促し、対外的には人件費の非対称性を武器に輸出を促進…消費国家である先進国だけではなくイスラム圏という広大な市場をもターゲットにさらなる成長が見込まれるバングラデシュとダッカ。

もともと海外から資金が入っていなかったダッカでは金融危機の影響がなし。イスラム圏全般でもダメージは資本主義国ほど大きくなく、イスラム金融(銀行)も自信を深めています。

胸を張るイスラム圏の事業家たち…

世界15億人のイスラムを相手に我々は進みます
マネーゲームは終わりだ…


   ロシアが中東に接近
   オイルマネーをロシアへ

   シンガポールはドバイへの投資を促進
   イスタンブールはイランへの輸出が増加
   テヘランに大型ファッションビル計画
   アフリカの投資家がドバイへ進出
   ダッカからリビアなどへ労働者を

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ところで非イスラム圏の中国、インド、ロシア、アメリカ、日本ほかの人口の合計はイスラム人口を大きく超えます。これら中国も含めて資本主義と市場を基本とする世界でいちばん重要なのは言論と情報の自由です。

貧困の原因は情報格差でもありますが、池田blog「情報の非対称性にともなうエージェンシー問題」で示されているように今回の金融危機でも情報(の問題)は大きなファクター(orトリガー)となっています。

そして、この情報(の価値)に関していちばん根本的な問題は著作権が財産権とされてしまっている大きな弊害についてです。「著作権は他人が自分の著作を利用して新しい表現を行なう自由を侵害する権利である」と指摘する『ハイエク 知識社会の自由主義』『ヤバいぜっ!デジタル日本―ハイブリッド・スタイルのススメ』でクローズアップされている問題です。これはコピーの問題とともにインターネットの今後を左右する大きな問題でしょう。

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