不況はリアルか?
昨日3月30日坂巻ファンドの坂巻氏がCNBCの番組内でホント?のことを言ってしまった。
まわりに何か買わなくなった人います?
買えなくて、困ってる人とかいます?
くわしくは覚えてないが驚いたことだけ憶えてる。
言っちゃったよ、言っちゃった…。
今、買い時ですよ、株は。
欧米なんて政府がどんどんおカネを出している。
経済が立ち直ったらインフレですよ。
今持ってる財なんて価値が6割かそんくらいになってしまう。
イヤでしょ、そんなの。
だから、今こそ株を買わなきゃ。
藤巻ファンドの藤巻さんも同じですが、不動産価格が下落し金利が安い今こそ不動産を担保にして資金を投資せよ、と主張しています。
ただ問題はそんな余裕資金がない人の方が多いだろうし、今後予想される実体経済の長期的な低迷は将来への希望や期待を萎えさせるでしょう。90年代のバブルを体験した人には<成功体験>があり、不安や悲観にならない閾値が高く、その点では安定度の高い心理をキープできるだろうし将来を楽観できるかもしれませんが。団塊ジュニア以降のバブル体験(成功体験)がない人間はシリアスな現状をシリアスに認識しちゃう可能性は高いでしょうね。
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こういったファンドの誘惑やすでに公的資金の返済の目途をつけてしまったゴールドマンサックスのようなポジションとスタンスを可能にしているものは何か?…
先進国あるいはG7参加国の共通項としてGDPの半分以上が選択消費だという経済社会の構造は、選択消費をしなければGDPは半分以下に縮小することを意味しています。これは同時にバブル崩壊のショックを吸収するアブソーバーでもあって、GDPの半分がバッファとして機能しうる可能性は大きいハズです。実際今回の経済危機に際してそれなりに素早い対応をG7各国がみせているのは<GDP半分>相当の余裕というかバッファがあるからと考えられます。日本でも大企業16社で33兆円の留保金。資本金10億円以上の大企業であれば総計230兆円も留保金があります。さらに国民の預金資産は1500兆円ともいわれています。
これらは何を意味しているのか?
バブル(の可能性)が構造として経済に組み込まれた社会経済では、バブルは10年単程度の循環現象として発現していく構造なのだろう…という認識のほうがリアルだと考えれます。
膨大な量の…社内留保金? 余裕資金? 過剰流動性? アメリカ国債?
結局これらの管理運用が問題なのであって、すでに構造としての<経済>や<資本><資産>がどうであるかは、しだいにスポイルされていく問題であるのかもしれません。確実なのはすでにバブルは経済構造に組み込まれ構造化してる、ということではないでしょうか。
その時に本来の意味で<蕩尽>と<贈与>が説得力を持ち、過去とは違った意味でやはり経済にも祭祀の面は小さくなく、<祭政一致>の発現としても、モノを媒介にしながらも人間の心(理)が顕在化する一瞬なのではないかと思います。
原始共同体では、その共同体構成員(民衆)の生命は王に一任されていますが、それと対称的に王の命も豊穣の約束と疫病の忌避を条件に民衆に一任されています。この<王と民衆>の等価(命の等価交換)な関係は何事もない日常では生贄(王もしくは民衆の命の代理的象徴)として祭られます。この生贄の象徴の度合いが強くなりやがて記号や儀式といった<形態>そのものに抽象化あるいは昇華していくレベルは時代の変遷と進歩の表象そのものです。この原始共同体のレベルを〝歴史外〟として対象化しなかったヘーゲルは単なる〝思念されただけの論理〟に終わりましたが、思念の環界を思索した、つまり思念をアフォードするものを対象化した思索は多種多様(精神分析、認知科学をはじめあらゆる認識の対象としてのあらゆる環境を探究する科学…経済学も含む)に現在進行形です。
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池田blogの「シリコンバレーの「核の冬」」 の指摘。
マルクスもケインズもシュンペーターも、資本主義が拡大するとともに収穫は逓減し、長期停滞がやってくると予 言した。その予言はこれまでのところ外れたようにみえるが、今回の経済危機はもしかすると、先進国では資本主義の鞘が取り尽くされ、長期停滞に入る前兆か もしれない。
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基本的には長期停滞に入る気がしますが。そこからの脱出は莫大な資本が蕩尽的に贈与されたりすることかもしれません。ありえないか…。願望しちゃいますね。
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