レクサスが売れない理由?2
なぜレクサスは売れなかったのか?
高性能であっても、ラグジャリーやブランド?といったイメージ的なものをコンセプトとしたレクサスには説得力がなかったのではないでしょうか。
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ブランドとは?
そもそもブランドは、堅牢性や高性能を集約して象徴するもの。だから高価で当たり前でした。<ブランドものは高価>だったのです。
それが現在の日本での一般的なブランドイメージでは<高価なものはブランド>という逆転?が起こり、そのためブランド品を購入するという本来の意味(価値)とは異なるトレンドでのブランド消費が広がりました。
それは<高価なものを買うワタシは…>とか<…なワタシは高価なものを買う>とか、そんなトレンドです。
この<…>に入るのは〝セレブ〟だったり〝リッチ〟だったり〝こだわり〟だったりするハズです。いずれにせよ<ワタシ>を形容する何かが<…>に入ります。
一般的なトレンドとして<ワタシ>を形容し装飾するものが求められているのでしょう。
(それが何を意味しているのかについては別の機会に…)
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で、なぜレクサスは売れなかったか?
その理由は…
レクサス購入者のうち外車からの乗り換えは、わずか2割。この時点でレクサスの基本戦略の失敗がわかります。アメリカでも10年上連続で受賞しているレクサスおよびトヨタ車が〝いいクルマ〟であることは間違いがありません。しかし…
問題は…
・性能やパーツがクラウンと同レベル。
・販売方法が店頭販売で、外商に象徴される高級百貨店のようなリッチ層への訪問販売がない。
・トヨタからレクサスへブランドを独立させたら価格が100~200万円も高くなった。
他に…
ゴルフやカメラなど道具や機材が重い趣味や仕事の人はボルボを買うし、地味だけど質実剛健なドイツ車ならアウディもあり、また自動車そのものに詳しい(クルマ関係の仕事やレーサーなど)とスバルという選択もあります。これらすべてにレクサスの戦略は対抗できていない感じがします。ポルシェを凌駕した日産のGTRなど他の日本車メーカーには何らかの特徴がありますが、ある種の優等生であるトヨタはヨクもワルくも大衆車であり大量消費時代に最適化したプロダクトとプロモーションなのではないでしょうか。少なくとも消費者にはそういうイメージがあります。
なので…
レクサスを買っても自慢できない…
他人がレクサスを評価してくれるかどうか、不安…
結論、レクサスがターゲットにして狙う層こそ、他人からの評価を意識する人たちであり、この点でこそレクサスにメリットはない、ということではないでしょうか?
(この層こそ中間層あるいは中流層であって、その動向は大きな意味があります。その点でもレクサス問題に象徴される問題にはいろいろなヒントがあると考えられます。)
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池田blogの「不可能な経済政策」にまともな経済政策があげられ政治的には実現しない旨が書かれていますが、いいかげんに官僚の抵抗も自民党(どの党も)の傲慢もどうにかならないのか…焦るというよりワケがわからない世の中だなあ、とつくづく考えちゃいます。
企業レベルでも〝イイものを作っても売れるとは限らないリスク〟があり「レクサス問題」はその典型的な例でしょう…。
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コメント
レクサスがたとえ売れていないとしても、利益が出てたらどうでもいいんじゃ。別に販売台数を競っているわけじゃないんだし。それに、日本で売れなくても海外で売ればいいし。日本で売れなきゃいけない強迫観念なんてトヨタにはないでしょ。
投稿: Nyanko | 2009年3月11日 (水) 03時39分
レクサスとして独立させてから利益が薄く(トヨタのスケールメリットがない)アメリカで成功したのに日本でダメなのはトヨタの悩みですね。売れなくてもいいものを売っている企業はないでしょうから。同じように利益がでなくてもトヨタは建築の部門で頑張っています。それは今後の展開があるからでしょうね。
投稿: Y-BAT | 2009年3月11日 (水) 09時36分