re吉本理論

2015年10月 9日 (金)

根源的な2つの問い

●根源的な2つの問い

 自己同一性・自己関係性…この2つの意識は心的な認識システムの重層的なファクターの根源的なものですが、その可塑的な変成により発達成長してからも常に表出する可能性があります。
 時に<ワタシそのもの>へあるいは<ワタシがいる世界>への根源的な問いとして意識上にのぼります。自己関係性は反復と再帰により対他意識、他者関係性へと拡張し発展します。この拡張性(拡張することの可能性)が人間と動物との違いであり、それは<遠隔対称性>として無限に拡張しうる観念の可能性そのものです。


  ワタシはダレ?
  ココはドコ?


 自己対象性・自己関係性から生成する意識で最も根源的な問いは以上の2つです。
 これらは自己への問いであるとともに世界と他者への根源的な問いにもなっています。
 ここから意識の根源的な対象性として認識の基本となる<規範>が生成します。


  自己関係性の対象性に外部から具体性を導入して形成される意識が<規範>です。
  自己同一性の抽象性に外部から具体性を導入して形成される意識が<概念>です。


 自己同一性は自己意識そのものから自己規定するものであり、自己関係性は自己意識の外部から自己規定するものです。
 「自己意識そのものから自己規定」するときの属性は時間性として把握されます。自己関係性における「自己意識の外部」というのは外部環境由来の主に感覚的受容による知覚情報が考えられ、その属性は基本的に空間性です。

                          (NOBORUのブログ「根源的な世界との関係」

☆「ワタシはダレ?」「ココはドコ?」という2つの問いは場所的限定=現存在そのものを問うものであり、TPOそのものでもあるものです。認識上のラジカルな関係である空間性そのものと認識=了解そのものである時間性が問われる自己言及性がここにあります。

2015年9月21日 (月)

根源的な世界との関係2

●2つの自意識

母という世界との関係は反復することにより2つの認識を確立していきます。


  反復から抽象化される自己同一性。
  反復から対象化される自己関係性。


 自己同一性は「ワタシはワタシ」という言葉で表せる即自的な自意識であり、自己関係性は「ワタシのワタシ」という言葉で表せる対自的な自意識です。
 自己同一性は抽象化された自意識であり、反復する再帰性における不変的な意識だといえます。自己関係性は対象化された自意識であり、反復し再帰するごとの変化の可能性と外部性の意識だといえます。


  ワタシはワタシ
         自己同一性・自己抽象性
         即自
         強度・概念・自己確定
         現実界
         知覚からの離脱

  ワタシのワタシ
         自己対象性・自己関係性
         対自
         場所・規範・指示決定
         象徴界
         ベクトル変容


                          (NOBORUのブログ「根源的な世界との関係」

☆常同反復から<自己同一性>と<自己関係性>という基礎となる2つの認識が確立されていきます。臨界の固定化でもある常同反復は、同時に限界を拡張していく認識の前提でもあり、すべての認識はここを起源として生成します。

2015年8月31日 (月)

根源的な世界との関係

●世界との関係

 乳胎児にとって<世界>と自己は不可分ですが、部分的に可分となり対象化することが可能になります。


  赤ちゃんは空腹になるとオッパイが欲しくて泣きます。
  泣くとオッパイがもらえて空腹が満たされます。
  これらが反復されてある認識が成立します。

  泣くとオッパイがもらえて空腹が満たされる、ということ。
  空腹はイヤだ、ということ。
  泣いている自分がいる、ということ。
  オッパイという他者がいる、ということ…


 「空腹」というのは自己に起る必然的な現象で、それは現象に表出された自分そのもののことです。この反復から抽象化された自己認識(自己同一性)が析出していきます。
 「泣く」というのは自己の行為であり、行為をとうして自己そのものも対象化され自己関係性が生成されていきます。
 「オッパイ」というのは他からやってくるものとして他者であり、対象化された世界の一部です。
 「泣くとオッパイがもらえる」というのは自己と世界との関係です。受動的な自己の振る舞いが生む結果と自分との因果関係であり、その点で自己(の行為)を規定するものです。やがて「泣いてオッパイをもらう」という能動的な自己関係性に再帰し、自己コントロール可能な意識が確立します。これらは<世界>における<自己>と<他者>の在り方を示すものです。

                          (NOBORUのブログ「根源的な世界との関係」

☆自他不可分である母子関係から自他分離(母子分離)へと遠隔対称化していく過程そのものが人間の生そのもの。あらゆる認識の源も、あらゆる世界との関係も、世界のそのあり方も、すべてはここからスタートしていきます。

2015年8月 7日 (金)

規範と概念と言語

 言語は心的な<概念>と<規範>が同致して生成します。

   規範
   外感覚による指示決定の情報が身体化?

   概念
   指示決定の情報を思念により観念化?

 概念は規範によって表出されて、はじめて言語化します。
 言語の規範というのは、音韻、韻律、文法などの共同性です。
 表現としての言語は表出されないかぎり存在しません。

 リアルな世界での統御されたトータルな認識としては、これらは総合されているので峻別されて認識されるものではありません。ただ、あらゆる異常や病的といったものは、これらの微分されたどこかに、その理由を発見できると考えられます。

                            (NOBORUのブログ「2つの認識の基礎」

☆指示表出を生成する規範と自己表出を形成する概念。規範は環界(と)の常同反復的な関係から、概念はそれらに対する了解や思念(によるもの)としてあります。言語は<概念>と<規範> の統合したものですが、同時に人間にとっての環界そのものであり、また規範そのものとして思念を規定しています。これらは言語論というよりも心的現象論のベースにあるものとして『心的現象論序説』『心的現象論本論』で探究されています。

2015年7月21日 (火)

世界と規範と概念2

 規範の初源となるのは<いま、ここ>であり<原生的疎外>の領域ですが、ベクトル変容した<純粋疎外>の領域では知覚から意志や理性まで、<自他不可分>の対象性(あらゆる可能性=時点ゼロ)として存在します。

 

母との分離、母との関係からの分離は世界の対象化であり、その自己分離と確立が成長です。


      最初の環境である母体、
      最初の他者である母、
      最初の社会である母との関係、
      そして最初の物語である母との物語。


 そこには、自己にとって<母=世界>という環界からの規範化と、それへの<自己の対応>が確定していく過程があります。


 <自己の対応>の基本は認識することであり、対象の概念化です。
 対象である<母=世界>との反復される関係から、対象は抽象化されて概念化します。
 並行して対象は命名されていきます。
 規範化の前提には形態認識があります。<いま、ここ>が場所であり、前提となる身体とともにそれらは空間性です。これらの空間性を識知する形態認識がリアルのはじめにあります。

                          (NOBORUのブログ「2つの認識の基礎」

☆認識の位相に<イメージ(心像)><形像><概念>があり、同時にこれらは<規範>から規定されています。この自己抽象と自己関係のトーナリティが、ある特定の現存在になります。

2015年7月10日 (金)

世界と規範と概念

 環界である母や世界との関係を反復することで2つの認識が確立していきます。

 

反復から抽象化される<自己同一性>は、時空間意識の根源となります。抽象性そのものが<時間意識>の、自己への関係性そのものが<空間意識>の根源です。この時空間意識を基礎に<概念>が形成されていきます。反復による冪乗化は強度となります。「ワタシはワタシ」という自己限定に象徴される自己確定していく意識です。

 

反復から対象化される<自己関係性>は、意識の起点である場所=<いま、ここ>を形成します。この場所の前提には(そこに居る)<身体>があります。これらは認識の基本となる時空間性の生成であり、ここから<規範>が構成されていきます。<規範>は共同性が依拠するフレームとなります。「ワタシのワタシ」という指示決定された意識は自己分離のはじまりです。

                          (NOBORUのブログ「2つの認識の基礎」

☆すべての認識は微分すれば時空間意識になります。この初源の時空間意識は<反復される生>そのものから析出するもの。それは内コミュニケーションの始まりである母という世界との関係の反復です。初源となる2つの認識は<概念>と<規範>として環界を把握する世界視線を形成しながら、根源的な世界との関係を認識していきます。この<概念>と<規範>が同致する(=シンクロする)ことによって言語は心的に生成します。

2015年6月26日 (金)

認識の時空間性―指示表出・自己表出

 芸術は認識の時空間構造の錯合の仕方がパターン化し、理解(受容)される範囲内での、それもトーナリティを失ってない、という強度のない歪み(デザイン)だと考えられます。しかし認識の時空間構造の柔軟性は無いため、表出としての意味に限界があります。

 いずれも指示決定と自己確定のバランスがポイント。

       -       -       -

 本質的には不可分ですが....
 指示決定(表出)が空間性に依拠する対象性 なら
 自己確定(決定)は時間性に依拠する志向性 です。

 存在論的には空間性は関係性で、時間性は了解性です。

       -       -       -

 表現というものは、象徴界であっても鏡像段階であっても、認識とメディアの関係の原理はこの範囲内です。

                          (独解、吉本さん羊書 「認識の時空間性」P80)

2015年6月15日 (月)

指示表出(決定)から自己表出(確定)まで…メモ

●指示決定とは

 思考の関与 しない認識。 → 象徴界認識
 思考(主体的)を介在させたくないモノゴト。 → 1or2人称の消失、統合失調症的
 思考を排除した肯定性。 → 思考への否定性を動因とする認識(志向性)

●自己確定とは

 自己にインテグレートされている認識と照応させる(時に)思考がスタートします。

 指示決定を抽象し、
 再び構成して自己確定していきます。

 指示表出上の差異を超えて
 同一性を見い出すコトがポイントです。

 2つ以上の<違う>モノゴトを<同じ>と見なすコト。
 差異を超えて同定するコト。
 これは共同性を成立させる最重要な認識です。
 構成同一性などと呼ばれる認識です。

             (独解、吉本さん羊書 「指示決定から自己確定まで」P60)

2015年6月 6日 (土)

すべてがはじまるところ=<志向性>3

 TPO=場所的限定から空間認識と時間認識の錯合した認識構造が展開していく
 パースぺクティヴこそ人類の観念にとっての本源的蓄積でしょう。
 それを解く重要なポイントが<志向性>であり、<遠隔対称性>です。


 感覚器が関与しない外部認識はあり得ない。
 第一義的には内部認識=観念≧思考には感覚器が関与しない。
 外部への認識は感覚を通じた構造を経由してのやり取りで、
 感覚構造への内部からの変数や係数をバイアスにしたもの…。

              (独解、吉本さん羊書 「感覚に志向性」P101、P100)

☆全ての認識が外部との関連によっていることの発生的な証しとして、感覚器をはじめとして脳や神経や眼球が外胚細胞から形成されるという事実があります。また外部認識のための感覚構造(感覚器の認識の作動の仕方)は内部からの変数や係数をバイアスとしています。このバイアスによる変成・変容をとおして感覚受容が認識されます。バイアスなどにより認識対象と認識過程との混濁や融溶という、自他不可分な状態があり、これがイメージ≒幻想=ゴースト・デジャヴ・クオリアの生成する契機である<純粋疎外>と呼ばれる状態です。対象認識そのものが対象そのものにアフォードされているという関係性がすべての認識の前提にもなります。


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2015年6月 3日 (水)

すべてがはじまるところ=<志向性>2

 

<外部へ>あるいは<内部へ>…という<志向性>を別の位相から(の)定義(を参照)すると以下のような説明が可能です。

 対象に関する志向性(≦了解の時間性)は<作為体験>として、
 対象との関係そのものに関する志向性(≦関係の空間性)は<不可避体験>として、表出する。

                              「志向性としての時間性・空間性」

☆外部という<対象>へ向かう志向性と、関係そのもの(内部でもある)に関する志向性が、それぞれ<作為>と<不可避>なものとして把握されています。これは先験的に存在する環界との関係性そのものである心的世界の原認識となるもの。正常からビョーキまで、このワクを超える認識はありえず、デジャブもクオリアもゴーストも(吉本理論の表現では感性も理性も悟性も)、その錯誤の構造の違いでしかありません。


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