コトバ相互の関係性=文法
これは、美味しいパンです。
このようなカンタンなコトバでも、心的現象の時間化度は、神経生理的なクロナクシーの規定を超えています。<これ><は>という<パン>への対象的指向のつぎに<美味しい>という判断がなされていくなかで、分割(文から分節化)された概念(コトバ=品詞)がそれぞれの仕方で結びついていく速度が、時間化度の本質になります。
この時、すでに人間は生理的自然体としての時間化度を超えています。
この分割された対象性の再構成が
<クロナクシー>によって規定される時間化度を
離脱すればするほど、わたしたちは
高度な時間化度をもつものとかんがえることができる。
(『心的現象論序説』Ⅲ心的世界の動態化 3 度(Grad)について P103)
「<クロナクシー>によって規定される時間化度」というのは身体の時間性のベースになるもの。この<身体の時間性>は絶えず「高度な時間化度」に対して是正をもとめ、身体性への引き寄せをはかっています。身体性への復帰?の延長には自然的環界へ至る過程ともいえるものがあります。その究極は有機物から無機物への回帰?でもあり、ひとつの自然過程です。(<生きる>ということは「自然的環界へ至る過程」に抗うことでもあり、その行為(作為)が<労働>(『資本論』マルクス)と呼ばれるものです。心的現象論で<原生的疎外>と呼ばれるものがその起点=<生きる>ことそのものです。)
一つ一つのコトバは概念を象徴するもので、言葉そのものは情報のタグとして機能しています。 言葉を想起することで、その言葉に象徴され代表される体系化された情報=概念を呼びだすことができます。一つ一つの言葉は(=概念)は基本的に、入れ子構造で安定していて、それらを複数同時に表出するときに言葉相互の関係性がチェックされます。
<言葉相互の関係性>というのは、その表出時の全体(文)の志向(性)を反映しており、規範としては文法を生成します。
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