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2017年4月20日 (木)

<直接性>を空間化度とする感覚

触覚の空間化度は、これ(視覚聴覚)とまったくちがっている。
触覚はもしあらゆる連合作用と視覚の補助とを排除すれば、
形態を識別することはできない。色彩を識別することもない。
また、距離をもつこともない。
いわば運動そのものの直接性ともいうべきものである。
この運動の直接性の感覚が、触覚の空間化度である。

嗅覚や味覚のような原始的感覚において、
わたしたちは、触覚よりもさらに原初的な直接性をみることができる。
それは、いわば滲透の直接性の感覚ともいうべきものである。

(『心的現象論序説』【Ⅲ 心的世界の動態化】「3 度(Grad)について」P100)

視覚と聴覚は可視光線と空気という均質的な空間性を媒介(メディア)とし、対象の外延としてそれを感知します。触覚では直接に対象に触れ、そのレスポンスは自らの運動性そのものによります。嗅覚や味覚ではレセプターにより直接に対象を感受します。生物の発展段階がそのまま反映されているといえるそれぞれの感覚のステージと種類。原始的な単細胞の生物から現代の人間の個体まで、その感覚の発展にはそれぞれの生命の特徴が現われてもいます。人間の身体はその時間性においてこれらの感覚からフィードバックされる空間化度を統御 しています。


享受・受容・感覚の位相?

     代謝レベル       体内感覚      内臓性  ↓   体内感覚

     分子レベル       味覚、嗅覚    浸潤性  ↓   味覚

                                 ↓   嗅覚

     物理レベル(ロー)   触覚と運動    接触性  ↓   触覚
     物理レベル(ハイ)   聴覚       共振性  ↓   聴覚
     物理レベル(超)    視覚         化学性  ↓   視覚

     情報レベル       脳、神経       情報性    ↓   頭脳感覚

     *(↓)は影響を与える方向。観念の作用はこの逆方向。

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