<純粋疎外>の時間化度と空間化度
わたしの判断が、この判断対象ときり離すことができず、
わたしにとって先験的な理性であるかのように存在するという位相…
ここで<純粋>化された理性の概念が想定される。
わたしたちは、このような<純粋>化の心的領域を、
原生的疎外にたいして純粋疎外と呼ぶことにする。
そして、この純粋疎外の心的領域を支配する時間化度と空間化度を、
固有時間性、固有空間性とかりに名づけることにする。
(『心的現象論序説』【Ⅲ 心的世界の動態化】「2 原生的疎外と純粋疎外」P96)
☆心的現象論の基礎であり同時にもっとも象徴的な概念である<純粋疎外>が説明されています。まったく思弁的な概念ではなく個別的現存である個体に即した概念装置であり、それは<固有時間性><固有空間性>として心的現象論を構成していく基礎となるものです。この<固有時間>はアインシュタインのものと同等の意味であつかわれており、TPOに現存することからはじまる個体への完全にサイエンスとしてのアプローチ になっています。システム理論のオートポイエーシスの特異点である<境界>の定義を超えるものとして考えると、その深さと可能性が解ります。
« 心的現象の時間性と空間性 | トップページ | ゼロの発見=<純粋疎外>という心的現象 »
「心的現象論」カテゴリの記事
- <モノ>と<イメージ>の認識(2017.07.31)
- <心像=イメージ>という認識のラジカル(2017.06.29)
- コトバ相互の関係性=文法(2017.05.23)
- <直接性>を空間化度とする感覚(2017.04.20)
- 知覚をなす身体の<時間化度>(2017.04.07)
「羊書」カテゴリの記事
- <モノ>と<イメージ>の認識(2017.07.31)
- <心像=イメージ>という認識のラジカル(2017.06.29)
- コトバ相互の関係性=文法(2017.05.23)
- <直接性>を空間化度とする感覚(2017.04.20)
- 知覚をなす身体の<時間化度>(2017.04.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント