心的現象としての言語 規範として
規範としての言語という側面から、灰皿とはなにかをかんがえれば、
ここでは<灰皿>=記号的灰皿であり<灰皿>という共通性は、
どんな具体的な灰皿とも無関係に成立する記号でしかない。
そこでは灰皿という受容の空間化度は
ある位相(論理系の位相)にあるのっぺらぼうな単一な面に拡がっている。
…このばあい<灰皿>という共通性は<関係>意識にかかわってくる。
(『心的現象論序説』【Ⅴ心的現象としての発語および失語】P154)
☆規範としての言語というのは、コミュニケーションとしての言語の前提。共通の規範による言語がなければコミュニケーションが成立しません。翻訳とは共通の規範に置き換えることです。「ある位相(論理系の位相)にあるのっぺらぼうな単一な面」というのはシニフィアンの領域のことであり、リアルなそれそのものあるいはレファランではありません。そのために「具体的な灰皿とも無関係に成立する」わけです。一方「<灰皿>という共通性は<関係>意識にかかわってくる」というのは、共同性への前提にもなるもので人間の認識の最重要なものです。
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