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2016年4月

2016年4月15日 (金)

心的現象としての<夢>7 自然化

上限の形像的な夢は、覚醒時の心的な領域をよりよく<自然>化しえた場合であり、
非形像的な夢は、この<自然>化があまり巧くゆかなかった場合にあたっている。

形像の鮮明なそして運動性に富んだ夢ほど<正常>な夢にちがいない。

覚醒時の心的な領域を、充分に強固に固定化しえているから<自然>化が
よりよく行なわれているのだといいうる。

非形像的な夢は、反対に覚醒時の心的領域を強固に定着しえないために、
覚醒時の心的な調音がそのまま<入眠>時に移行し、
したがって形像化がうまくおこなわれてないのである。
(P198~P199)


☆夢の形像が示しているのは何なんでしょう? 形のハッキリしている「形像的な夢」は「覚醒時の心的な領域」が「よりよく自然化された場合」。自然化されるほど、その<自然>をグランドにした<夢>の形像がハッキリするということです。覚醒時の心的な領域を<自然>化するほど解像度が上がる…と例えられるかもしれません。形がアイマイであれば逆になります…。

あるいは覚醒時の心的な領域が自然化されるほど、固定化され安定するということ。安定している分だけ夢そのものは鮮明になり運動性に富んでいると分析されています。それが夢のもっとも自然な状態であり、その時にみる夢が正常であるとされています。

逆に、心的な領域が自然化されていない場合は、その分だけ流動的であり不安定…。形像がハッキリしない不鮮明な、運動性に乏しい夢だといえます。それは雰囲気やイメージのような非形像的なものの割合や度合いが高い夢です。そこには「覚醒時の心的な調音がそのまま<入眠>時に移行し、したがって形像化がうまくおこなわれていない」という認識過程の事実があります。

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