心的現象としての<イメージ>8 空間化度
純粋概念としては、嗅覚・味覚・触覚における空間化度は、
そのまま(即自的に)時間性としては感じることはできない。
対象との関係の幻覚としてはありうる。(P122)
具体的な接触によって確認できない空間に在る対象は、
そこからの延長された空間性によって対象化される。
それが可視光線と音波である。
このために聴覚と視覚は対象化作用そのものに本質的に関係している。
このことから聴覚と視覚の空間化度はそのまま時間性として受容されうる。(P123)
『心的現象論序説』「Ⅲ.心的世界の動態化」「6.聴覚と視覚の特異性」を参考に…
☆時空間性の融溶が<純粋疎外>ですが、嗅覚・味覚・触覚の空間性は時間性に転化しません。それは身体性そのものだからと考えられます。身体の空間性はシステムクロックという時間性を媒介に心と世界に関係しています。聴覚と視覚はコントロール可能な感覚としてあり、その可能性の特異点として世界視線による可視化と過視化があります。この世界視線化による了解作用そのものが聴覚と視覚の空間化度が了解の時間性に転化することを示しています。「空間概念の抽象的な等質性」はシステムクロックによって生成するものです。
« 心的現象としての<イメージ>7 他者性 | トップページ | 心的現象としての<イメージ>9 了解作用 »
「心的現象論」カテゴリの記事
- <モノ>と<イメージ>の認識(2017.07.31)
- <心像=イメージ>という認識のラジカル(2017.06.29)
- コトバ相互の関係性=文法(2017.05.23)
- <直接性>を空間化度とする感覚(2017.04.20)
- 知覚をなす身体の<時間化度>(2017.04.07)
「羊書」カテゴリの記事
- <モノ>と<イメージ>の認識(2017.07.31)
- <心像=イメージ>という認識のラジカル(2017.06.29)
- コトバ相互の関係性=文法(2017.05.23)
- <直接性>を空間化度とする感覚(2017.04.20)
- 知覚をなす身体の<時間化度>(2017.04.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント