心的現象としての<イメージ> 自己表出
<イメージ(心像)>は対象が知覚的に存在しないために不鮮明であり、
概念(化)作用によって形成されるために総合的(統合的)である。
この時の概念(作用)は自己確定(的)である。(P239~240)
<イメージ>は指示決定の領域から自己確定の領域までのすべてにまたがっている。
<イメージ>は指示決定(表出)における無定形・不鮮明から
自己確定(決定)における無意味・不確定までを両極として、その二重性のもとに出現する。(P240)
『心的現象論序説』「Ⅶ.心像論」「1.心像とはなにか」を参考に…
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☆<夢>も<イメージ(心像)>も身体の外部に関係なく、あるいは感覚の対象とも無関係な状態で生成します。ただし<夢>は無意識にみるもので、<イメージ>は意識してみるものです。<イメージ>を左右するのは概念化しようとする作用そのものであって、その志向性に投映された自己そのものだといえます。<イメージ>は知覚とは関係がないために不鮮明ですが、志向性の結果であるために総合的です。そして志向するのは自己なので自己確定的であり、自己表出そのものです。<イメージ>にはイメージのレベルの形態としての指示表出があり、志向性に応じた自己表出です。<イメージ>には指示表出としての無定形から自己表出としての無意味までを両極としての二重性があります。
眼と精神
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