根源的な世界との関係
●世界との関係
乳胎児にとって<世界>と自己は不可分ですが、部分的に可分となり対象化することが可能になります。
赤ちゃんは空腹になるとオッパイが欲しくて泣きます。
泣くとオッパイがもらえて空腹が満たされます。
これらが反復されてある認識が成立します。
泣くとオッパイがもらえて空腹が満たされる、ということ。
空腹はイヤだ、ということ。
泣いている自分がいる、ということ。
オッパイという他者がいる、ということ…
「空腹」というのは自己に起る必然的な現象で、それは現象に表出された自分そのもののことです。この反復から抽象化された自己認識(自己同一性)が析出していきます。
「泣く」というのは自己の行為であり、行為をとうして自己そのものも対象化され自己関係性が生成されていきます。
「オッパイ」というのは他からやってくるものとして他者であり、対象化された世界の一部です。
「泣くとオッパイがもらえる」というのは自己と世界との関係です。受動的な自己の振る舞いが生む結果と自分との因果関係であり、その点で自己(の行為)を規定するものです。やがて「泣いてオッパイをもらう」という能動的な自己関係性に再帰し、自己コントロール可能な意識が確立します。これらは<世界>における<自己>と<他者>の在り方を示すものです。
☆自他不可分である母子関係から自他分離(母子分離)へと遠隔対称化していく過程そのものが人間の生そのもの。あらゆる認識の源も、あらゆる世界との関係も、世界のそのあり方も、すべてはここからスタートしていきます。
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