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2015年3月11日 (水)

無自覚がはじめる

 無意識つまり意識できない、対象化できない、自覚できない=無自覚というコトによって認識にさまざまな不確定と不安定が生じます。この不定性そのものが心的な動因そのものになるのですが、認識そのものの不定性≧流動性もまた再生産されるコトになります。

 この不確定・不安定という不定性はそのまま<感情>となります。より正確には価値判断以前の<中性の感情>として、あらゆる心的現象の動因であり認識の前提でもある心的状態です。

 

 不定性の再生産は、以前のエントリーで書いた<内部への認知>(自己矛盾)と<外部への認知>(認知不全)が相互に循環する構造をもっているコトによります。


 <内部への認知>における<絶対に言及できないモノゴト>に対して、心的システムはシステムの安定のために<あるモノゴト>を代入します。この作用=力動は心的現象の中でいちばん根本的なものであり、強度そのものだといえます。

 また
 <外部への認知>における<認知できる可能性(という担保)>は、心的システムの拡大のための動因であり、環界へのアプローチの基本となる強度です。

                          (独解、吉本さん羊書「無意識の多重性」P97)

☆対象認識が基本である心的現象では、対象化できないということはそのまま不確定であり不安定である不定性になります。規範化の不全ともいえるこの状態は<純粋疎外>における典型的なもの。規範化せず、概念化せず、それはある種の流動性そのものとして保持されます。それが<中性の感情>です。『心的現象論序説』における感情についての論考の圧倒的な独創性は、その時空間概念とともに絶対的な科学性でもあるものとして、いまだに言及さえされることがありません。


           
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