<イメージ>のはじまるところ2
原始人の叫びごえが特定の律動をもち…
特定の音の組み合わせが、特定の対象にむすびつき、
その象徴としてあらわれたことは、たれも否定することができない。
この過程は…
そのなかから個別的な音の響きをききわけて個別的なちがいをみとめるとともに、
抽出された音声の共通性を認知できるようになったことを意味している。
(『言語にとって美とはなにか Ⅰ』「第Ⅰ章 言語の本質」「3 音韻・韻律・品詞」P44~45)
■原始人の叫び声の律動を考えれば、自然一般にも拡大できる認識です。自然をマクロに見れば見るほどそれは幾何的であり、そこには反復に代表されるリズムやシンクロがあります。抽出された音声の共通性という認知は共同性への基礎にほかなりません。言語という上部構造を、マテリアルな自然や生命あるいは生物というものに還元するかのようなスリリングな思索が展開されています。もちろん、そこへ還元できないものとしての心的現象は、還元への考察があってこそ顕在化あるいは可視化されるものでしょう。
定本 言語にとって美とはなにか〈1〉 (角川ソフィア文庫)
著:吉本 隆明 , 他
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