無意識がはじめる
無意識つまり意識できないコト、対象化できないコトには2つのレベルが考えられます。位相的には<内部への認知>と<外部への認知>それぞれにともなう矛盾として把握できます。それぞれに大きな特徴があります。
哲学的心理学的な思索からはじまった『心的現象論序説』ですが、その後吉本理論は三木成夫の解剖学を参照し具象性が高くなります。そこでは<内部への認知>と<外部への認知>はそれぞれ<植物的階程><動物的階程>に対応するでしょう。ここでは論理的な展開として考察し<自己言及>とその限界と矛盾である<ゲーデル問題>として抽出しています。
(独解、吉本さん・羊書「無意識の多重性」P96)
☆アルチュセールは矛盾論により資本論をディコンストラクションし、商品であれ何であれ資本主義に重層的決定を見出しました。さまざまな交通の結節点としてそれらは決定されます。しかし、それはマテリアルな世界であり、意志を前提にしたときにはメンガーのように決定できないと認識する方がリアルです。意志あるいは観念に由来するものならばなおさら。吉本隆明の重層的非決定とはこのことを指しています。
ラカンは無意識は構造化されているとしていますが、どのような構造なのか? 吉本理論からインスパイアされた思索としては、無意識の多重性がポイントだと考えられます。
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