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2015年2月

2015年2月20日 (金)

無意識がはじめる

 無意識つまり意識できないコト、対象化できないコトには2つのレベルが考えられます。位相的には<内部への認知>と<外部への認知>それぞれにともなう矛盾として把握できます。それぞれに大きな特徴があります。

 哲学的心理学的な思索からはじまった『心的現象論序説』ですが、その後吉本理論は三木成夫の解剖学を参照し具象性が高くなります。そこでは<内部への認知>と<外部への認知>はそれぞれ<植物的階程><動物的階程>に対応するでしょう。ここでは論理的な展開として考察し<自己言及>とその限界と矛盾である<ゲーデル問題>として抽出しています。
                          (独解、吉本さん羊書「無意識の多重性」P96)

アルチュセール矛盾論により資本論ディコンストラクションし、商品であれ何であれ資本主義に重層的決定を見出しました。さまざまな交通の結節点としてそれらは決定されます。しかし、それはマテリアルな世界であり、意志を前提にしたときにはメンガーのように決定できないと認識する方がリアルです。意志あるいは観念に由来するものならばなおさら。吉本隆明の重層的非決定とはこのことを指しています。

ラカン無意識は構造化されているとしていますが、どのような構造なのか? 吉本理論からインスパイアされた思索としては、無意識の多重性がポイントだと考えられます。

           
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2015年2月 9日 (月)

<イメージ>のはじまるところ2

原始人の叫びごえが特定の律動をもち…
特定の音の組み合わせが、特定の対象にむすびつき、
その象徴としてあらわれたことは、たれも否定することができない。
この過程は…
そのなかから個別的な音の響きをききわけて個別的なちがいをみとめるとともに、
抽出された音声の共通性を認知できるようになったことを意味している。

『言語にとって美とはなにか Ⅰ』「第Ⅰ章 言語の本質」「3 音韻・韻律・品詞」P44~45)

■原始人の叫び声の律動を考えれば、自然一般にも拡大できる認識です。自然をマクロに見れば見るほどそれは幾何的であり、そこには反復に代表されるリズムシンクロがあります。抽出された音声の共通性という認知は共同性への基礎にほかなりません。言語という上部構造を、マテリアルな自然や生命あるいは生物というものに還元するかのようなスリリングな思索が展開されています。もちろん、そこへ還元できないものとしての心的現象は、還元への考察があってこそ顕在化あるいは可視化されるものでしょう。


           
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