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2014年10月

2014年10月30日 (木)

<意味>のはじまるところ

母音がそれだけでは意味をなさない音声の波であるように、
母音の波の拡がりであるイメージの大洋は、意味をもたず、
言語ともいえない世界なのだが、
それにもかかわらず言語優位の脳で感受されるとともに
意味(前意味といってもよい)をもってしまう特異な領野に当面している。

シニフィアンははじめから何ものも意味する可能性がないものとして設定すれば、
それは科学的な素因ではありうるだろうが、
外界はすべてのっぺらぼうの自然界という以外になくなってしまい、
物質の自然を対象としてつくることができなくなる。
『母型論』「大洋論」P47 思潮社)

■言語の生成以前の根源、指示表出と自己表出の峻別以前、意識と無意識の不可分という位相への思索がフォーカスするマテリアルと機能。人間の脳幹は実母の声に10000分の1秒のスピードで反応する(細胞のイオンチャネル並)という角田テストが大きな意味をもってくる場面へスリリングなアプローチ。それは同時にラカンやソシュールへのクリティークにもなっています。



           
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