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2013年4月

2013年4月21日 (日)

<言葉>のはじまるところ

風の音を、「ヒュウ、ヒュウ」という擬音語であらわすのは、
事実としての風の音をそれにいちばんちかいと感じる
母音と子音固有の結合体系で言語化することだ。
白然音の喩は、複雑な陰影としてうけとられるが、
言語としてみれば、その段階は初源的だということになる。

『母型論』「起源論」P169 思潮社)

■意識、言語という観念の具体的な形態が人間にとっての羊水や生命にとっての海に象徴される<大洋のイメージ>から析出していく様態を思索し描いた原理論心的現象論アフリカ的段階をダイレクトに架橋する論考が示されます。


           
母型論

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2013年4月12日 (金)

「身体論」から

女性にとって自己がつける<衣裳>や<装飾具>は
そのまま自己にとってフェティシズムである…

(『心的現象論本論』「身体論」P58 E.H.E.S.C.文化科学高等研究院)

「色彩は自然を模倣するが、配色は論理を模倣する…」『ハイ・イメージ論Ⅰ』「ファッション論」P51)などフランス現代思想などに見られる化粧論や誘惑論を超えるものが吉本理論のもう一つの大きな魅力です。

           
心的現象論本論

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2013年4月10日 (水)

<遠隔化>と非リアル化と意味化

 感性から意味が遠隔化され、
 意味から感性が遠隔化される。

 対幻想から共同幻想が遠隔化される。

       -       -

........以上の事由から
 「生の凝縮されたスタンスとしての非リアル化と意味化....」という人間の定向進化的なトレンドが考えられます。それは以下のように説明できるかもしれません。

       -       -

 「非リアル化」身体を含めた自然的環界との乖離の進行を、
 「意味化」指示表出化、コンスタティブ化である。(スターリン言語学で指摘されるようなコンピュータ言語化、形式論理化などもこれに含まれる)

 2者関係(≦対幻想性)における充足をゴールとするのが価値化である。

 2者関係(≦対幻想性)に公準とか客観とか第三者の観点からのジャッジが導入されるコトに対する抵抗が不安の根源である。(コミュニケーション不全とか郵便的不安と呼ばれるような事態も包含する)

 対幻想への禁制という否定性が共同幻想を生成する。

(2001/7/21,2010/10/4)「<遠隔化>と非リアル化と意味化」から…

■<遠隔化>という概念装置で示されるさまざま。一見関係のない遠隔化した両極の現象を対称的に俯瞰できる仮構された視点ともいえます。

哲学的な理念から社会を示す様態までいかなる概念も観念も個体の認識から遠隔化したもの。これらを形成するあらゆる観念の運動も<遠隔化>というファンクショナルなアプローチで説明できますが、その根源には「価値」や「不安」という起点があります。

2013年4月 7日 (日)

<遠隔化>されるということ

 現実の世界がモノゴトそのものとして把握されるならば、
 モノゴトそのものについてのイメージは生成しない。

 (視覚・聴覚以外の知覚にこの傾向は顕著)

 逆に、
 モノゴトそのものについてのイメージが生成するのであれば、
 モノゴトそのものについての知覚は遠隔化される。

 身体的なマテリアルとしては
 感覚器の分子レベルの代謝からは神経が遠隔化され、
 脳神経の情報レベルの交通からは分子が遠隔化される。


 以上の反応過程をへて、
 感性から意味が遠隔化され、
 意味から感性が遠隔化される。

       -       -       -

指示決定から自己決定への過程と
そのマテリアルなシステムと
生の凝縮されたスタンスとしての非リアル化と意味化…

(2001/7/17)「<遠隔化>されるということ」から…

■吉本理論全般を貫くファンクショナルなタームの<遠隔化>。純粋疎外からの作動やその仕方を示しています。<ベクトル変容>の立体的な位相ともいえます。

対立物を等価であるとする弁証法。その構成の両極の関係を示したものとして対称性を考えた場合には<遠隔対称性>と表記されます。いずれにせよヘーゲルマルクスからのラジカルな継承であり「観念の弁証法」として評価されている思索方法そのものでもあると考えられます。

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