<感情>のはじまるところ
<感情>とは
<時間>として了解すべき判断を
<空間>として作動させている状態である。
あるいは
了解作用の<時間>性が
<空間>性として疎外されている状態である。
空間化された了解作用が、
対象を受容するための本来の空間化作用と二重に錯合して対象を借定するのが
感情である。
<感情>は消滅するのではなく、
心的な時間性の<空間>化という本質的な作用の強度に転化する。
対象に対する知覚の空間化度と
対象への了解の時間性が空間化した感情がシンクロした場合、
これを<純粋感情>とする。
(2001/7/29)「感情の生成するとこ」から…
■時空間概念からアプローチする<感情>の定義。認識論全体にわたってまったくブレのない驚異的な概念構築と論理構成は『資本論』のようですが、この<感情>の定義をはじめ『心的現象論序説』ではそれが際立っています。
<純粋疎外>概念のなかでも<純粋感情>(中性の感情を含む)は認識の動因そのものであり、同時に<記憶>というものそのものの属性や定義として根源的な可能性があります。<純粋疎外>概念を適用した具体的な展開はさまざまで<純粋視覚>をはじめとしてあらゆるものが考えられます。抽象すればシステム理論(が夢想した)の<境界>に相当するものであり、その援用は無限に近いものがあります。
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