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2012年10月

2012年10月16日 (火)

「像としての音階」から3

公響してくる音階が快であればあるほど、
分裂病者は身ぶるいがするようなある寂しい感じに襲われた。
そしていつかどこか遠い過去(または場所)で、
これとおなじ感じを体験したことがあるように思ったのである。
胎内か乳児のときかはっきりしなかった。

『ハイ・イメージ論Ⅰ』「像としての音階」P245ちくま学芸文庫)

■一般的には「公響」は「交響」かと思われますが、共同幻想という公的関係から(or公的関係に)やってくる音階…と考えると「公響」という表記がふさわしいかもしれません。画像は吉本隆明さんによるクラフトワークの採譜です。

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2012年10月12日 (金)

「像としての音階」から2

音階はJ・ケージの世界では、
自然音から抽出された純粋音階ではないし、
純粋音階から構成された古典近代の楽音の世界でもない。
音階は病像のあるひとつのレベルを指定しているだけだ。
そのレベルにはいらなければ幻聴を呼びいれることができない
そのレベルである。

『ハイ・イメージ論Ⅰ』「像としての音階」P224ちくま学芸文庫)

■J・ケージの世界と分裂症的な世界観の共通性を考察。吉本隆明さんオリジナルのケージの採譜が記載されてます。




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2012年10月10日 (水)

セロトニンとドーパミン

今ではセロトニンもSSRIもポップな脳の栄養といったイメージがあります。

「心のアクセル」といわれるのがドーパミン
このドーパミン第四受容体の多型(特定のアミノ酸の繰り返し記述が
あること)が性格に影響を与えている
のはイスラエルのエブスタインや
アメリカのベンジャミンの研究で明らかになってきた脳のマテリアルな
ファクター。

   ドーパミン第四受容体多型の分布

               7回配列   2回配列

     アメリカ人    48.3%    2.9%
     アジア人      1.9%   18.1%
     日本人       0.0%    -


「心のブレーキ」といわれるのがセロトニン
セロトニン・トランスポーター遺伝子はs遺伝子とl遺伝子があって、
s遺伝子はセロトニンをトランスポートする能力が低く、この遺伝子を
持っていると不安化傾向が強い
という可能性がある。

               s遺伝子   l遺伝子

     アメリカ人    67.7%    32.3%
     日本人     100.0%      1.7%


 観念や意志、意識など心的現象はマテリアルなファクターとシステム(の傾向)から遠隔化したものです。しかし心的現象はマテリアルな身体(性)に依存しながらも、身体やシステムに還元できません。心的現象はそれ自体として探究しなければそれ自体そのものである心的現象の世界を解明することはできないもの。
 このいちばん困難な問題を追究し続けた心的現象論の本論が『心的現象論本論』。難解で有名となった『心的現象論序説』とともに新たな探究の手掛かりとなることが期待されます。

2012年10月 3日 (水)

享受・受容・感覚の位相?

     代謝レベル       体内感覚      内臓性  ↓   体内感覚

     分子レベル       味覚、嗅覚       浸潤性    ↓   味覚
                                       ↓   嗅覚
     物理レベル(ロー)   触覚と運動    接触性  ↓   触覚
     物理レベル(ハイ)   聴覚        共振性  ↓   聴覚
     物理レベル(超)    視覚          化学性  ↓   視覚

     情報レベル       脳、神経       情報性    ↓   頭脳感覚

     *(↓)は影響を与える方向。観念の作用はこの逆方向。

 人間の認識を言語のレベルでだけ考えても限界があります。
 それぞれのレベル間での情報の交換や照応の中で特定レベルからの認識の志向性がどのような具合に遠隔化されたり近隔化されたりするのかを考えます。下層レベル(より身体寄り)の鍛練をすると上層レベル(より観念寄り)の認識力が強化されることはアメリカをはじめとして乳幼児教育から健康増進の現場で確認されつつあります。

 もちろんスタートでありゴールには原意識・原志向性が生成する"場" があります。心的現象論からハイ・イメージ論まで、すべてこれらを前提とした認識論であり、吉本理論の驚異的なトーナリティがそこにあります。

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