キャラウエイ2 *キャラウエイはいますか? *おだわらあつぎどうろ
キャラウエイはいますか?
「先日のお客さま! ですね!」
ときどき函鳴りしていたので元気だという。
具体的にたずねると、お客さまでしか鍵は使えないのでといいながら、
さっとメニューを説明しはじめた。ぼくが直接鍵を開けにいかないといけないらしい。
「巫女は説明しましたっけ?」
「あ、ごめんなさい」
「お客さまのレイヤーですと、イタコですね…」
何かコマッタ雰囲気の直後、息をのみながらメイドはつぶやいた。
「ホウレイセン…」
「ホ、ホウレイセン対応がまだでして、イタコってまだなんですよ」
「ごめんなさい!」
ぼくはJR SKISKI 2017なカオを思いうかべて、許してあげた。
店内の企画会議でイタコは大きなテーマなのだがホウレイセン対応のめどがつかず保留…
ホウレイセンにトライするメイドがいないので未定なのだという。
「ごめんなさい!」
明るくくり返すと来店の予定をたずねられた。
ちょっといまは無理といいながら場所を忘れたことをとぼけて通話を切った。
先日のようにメイドから声をかけてくれないと建物はわからない。
大きな駅には似たような建物はたくさんあるし、いつも考えごとをしてるので通過地点には詳しくない。
キャラウエイは元気かな…
ウソをつくとキャラウエイに会えなくなるな…
函の音がしたような気がした。
★
おだわらあつぎどうろだわ。
みどりいろになるまえ、キャラウエイとでかけた場所がそうだった。
なにかの小説にでてくる道路で、まえから知っているという。
やはらの交差点もそうだ。
なにかに出てくるところで、たいへん重要な場所らしい。
2つの場所の共通点は、たぶん世界のはてだというところ。
はてではなくともはじ程度ではあるだろう。ぼくも本で読んだ。
キャラウエイの知識はいつもふしぎで、感心している。
どうして知っているのかきくと、住むところだかららしいのだ。
いつ住むのかきくと、だまってしまった。
知らないのではなくて、言いたくないようなので、ぼくは深入りしなかった。
函よりウチがいい…
たしかにキャラウエイはそんなことをいっていた。
*230216修正
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