#キャラウエイ *「さようなら、ギャングたち」 *キャラウエイ、またくるからね。
たった一人の詩人を読者に書かれたのが「さようなら、ギャングたち」
ギャングたちはたぶん批評を殺し、思想を盛り上げ、読者を生き返らせた。
そんな風に覚えてる、「さようなら、ギャングたち」
★
キャラウエイはそのかわいい登場人物だ。
スズやカンナよりかわいい、キャラウエイ。
こゆびをみどりいろにしてしまってコマッテイルらしい。
函のなかにいるというので、探しに出かけた。
みつけられずにいると、JR SKISKI 2017みたいなメイドが声をかけてきた。
「お困りですね! 案内しましょう!」
建物にはいるとほらあそこです、と鍵をわたしてくれた。
函がしまってある、大きな引き出しの鍵だ。
こゆびをみどりいろにしたキャラウエイがいう。
おいたをしたからだわ。
おはなし、きいてる…?
キャラウエイはゆびやてを見つめながら、さびしそうにしている。
ひとり言はいつも聞いているよ。
いつも聞いている。
離れていたって聞こえるよ。
それがぼくだって、キャラウエイは知っている。
泣きだしたり、たわむれたり、はねたり食べたり、なんでもくり返すすがたを
思いだして、こっちまでさみしくなりそうだった。
キャラウエイ、またくるからね。
かおまでみどりいろにして、函のなかでじっとしているキャラウエイ。
うなずくような気がしたので、ぼくはそっと引き出しを閉めた。
いくつかの引き出しをながめながら、
はじめに案内してくれたメイドのところへ鍵を返しに戻った。
「わたしたち、巫女もかねているんですよ!」
じゃあ、シャーマンは?
「それも企画しているところです!」
ボクは笑い顔をメイドの方へ向けながらが建物を出た。
キャラウエイ、資本主義は、またぼくたちを会わせてくれるよ。
函が、コトリと音をたてたような気がした。
☆
いつも一緒にいるのに、部屋で姿を見たことがないキャラウエイ。
ガールフレンドなんだか、いとこなんだか、幼なじみなんだか、もう覚えていない。
覚えているのはふたりともウチがないことぐらいだ。
ひとりで川をわたったり、ひとりで列車にのったり。
電話でアマゾンとかジャングルとかいいながらラテン語ではなしていたこともあるキャラウエイ。
キャッツクローならあなたにも効く、といいだしてぼくに何か飲ませたり。
ひとりのときに、ひとりじゃないと思ってるキャラウエイ。
その夢からさめないようにぼくを呼ぶ。
またきっと会える。
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