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2016年9月17日 (土)

エディプス・コンプレックスが届かない無意識の<核>

 母から生まれ、母に育てられる人間の存在のあり方と比べて、子にとって父が意味をもってくるのは社会化し始めるころから。吉本的あるいは母型論的には外コミュニケーション以降だと考えられます。それ以前の、胎内から言語以前までのコミュニケーションは代謝なども含む内コミュニケーションとして最重要のもの。この内コミュニケーションこそ無意識とその核を生成し形成するステージでありレイヤーであり、<大洋>という言葉で表された状態になります。


   問題児を抱えた家族から委嘱されれば、
   非常に厳しい訓練を課して、
   父親代理人となって立ちふさがる…
   …
   それで解けるのは、たぶん心の表面層と中間層のあいだくらいまでだと思います。

                                                                                      (『人生とは何か』P61)


 ファザコンからアプローチしても、その分析は深くならず「無意識の核」までは届かない…把握でき解決できるのは「表面層と中間層のあいだくらい」まで…。このシンプルですが、とても大きな意味のある指摘は、吉本隆明が無意識についての思索を巡らせた90年前後のものと思われ、まだ中途のもののようです。一時期流行ったスパルタ式の教育や訓練セミナー的なものについての論評の一部。



 ファザーコンプレックスは有名な言葉であり概念ですが、現実にどのような意味を持って心理や精神医療の世界で使われているのでしょうか。

 日本のポスモダ、ニューアカでもファザーコンプレックスは重要な概念でした。資本主義のパラノドライブをドゥルーズ=ガタリを手がかりエディプスコンプレックスで説明してみせたニューアカのスタートは、バブルへ突入する時代を素直に反映した上部構造現象ともいえます。日本初のラカンの解説でもあった『構造と力』がニューアカの聖典なのだから当たり前かもしれませんが(同書の時点ですでに浅田彰氏はラカンの限界を指摘しているのは、さすがの才だと思われます。しかし、それに注目した論者がいないというのも日本のリアルなのでしょう)、人気のある何名かのラカニアンによる仕事も貴重だと思います。システム論との融合のような試みもあったようで、その元気さは思索を遊ぶ人たちにスノビッシュな刺激となりました。ウオール街の占拠デモを計画した共産主義者のジジェクも日本ではラカニアンとしても人気があります。

           
構造と力―記号論を超えて

著:浅田 彰
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   フロイト的に云うと、無意識の世界、あるいは前意識の世界でもいいんですけど、
   それを3つの層に分けるのがとても分かりやすいと考えています。
   つまり、1つは表面層、1つは中間層、もう1つは核です.
   非常に奥深くこしらえられたその人の無意識の核というものがあります。

                                                                                     (『人生とは何か』P25)


 ラカンは無意識は構造化されているとしていますが、どう構造化されているのか説明がされていないようです。吉本隆明=心的現象論的には、『人生とは何か』『心とは何か』などで無意識を3つの層に分けた思索がされています。ある意味で汎用的な思索の枠組を当てはめた試論ですが、それだけに、思索の方法に長けている吉本らしく間違いのない展開がなされています。

 無意識の領域と現実界の間に境界領域を設定し、現実界側に意識の領域が設定されています。無意識の領域には現実界に接したところから順に表面層中間層が設定されています。現実界側に意識の領域が設定されているのは現実を認識しているものとしての意識という意味でありラカン的な意味での現実界ではないということなのでしょう。

 ファザーを対象化した場合の分析と解決への経路の限界は、当然ですが全ての人間とファザーより先験的ではるかに質的に深い関係であるマザーとの関係への探究によって解(説)かれていきます。 『人生とは何か』『心とは何か 心的現象論入門』『母型論』では母子関係からの分離、大洋からの析出が言語の獲得をはじめ人間が人間であることのエビデンスであること、その困難さそのものから描かれていきます。



           
人生とは何か

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心とは何か―心的現象論入門

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