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2016年3月18日 (金)

<指示表出>と<自己表出>…文学系に気になる言葉

 <指示表出>と<自己表出>…共同幻想とともに知られているタームですが、これもまた定義をめぐって混沌としたものがあるかもしれません。プロの論者でも初歩の段階で理解に至っていないケースが多く、そもそも吉本用語はまったく理解できないと正直に嘆いてしまったアンファンテリブルがいるほどです。一方で、吉本の用語は理解しやすく現代思想を先駆けているという評価もあり、この両極は何を示しているのでしょうか…。

 言語にはさまざまなアプローチができますが、品詞に分けるのがカンタンです。
 品詞でいえば<指示表出>は名詞、<自己表出>は助詞。前者は<何か>を示していて、後者は<主体の意識>を示しています。前者はそれだけで完結しますが、後者は何(について)の意識なのかは<何か>をいっしょに示さなければわかりません。助詞だけで成り立つ文章や助詞だけで交わされるコミュニケーションはありえないでしょう。意識は絶えず何かについての意識であり、何かとの関係においてはじめて意味をもつもの。助詞が示すのは意識の、何かへ向かっての志向性であって、何かそのものではないからです。意識そのものは志向する対象である何かとともにでなければ具現化=概念化しません。この具現化されるものそのものを指し示すのが指示表出です。

           
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 名詞という指示表出は、名詞を指すことによって示すことができる自己表出とともにひとつにカップリングされたもの。あらゆる言葉は指示表出と自己表出の両価であり例外はありません。吉本は沈黙という指示表出ゼロであるかのような状態さえ、それは自己表出だとして大いなる価値を与えました。これにJケージの「4分33秒」を想起する方も少なくないでしょう。(ハイイメージ論収録の「像としての音階」のJケージ論は、聴覚の受容コードそのものの生成が解かれていて、該当ジャンルの専門家を圧倒するものになっています)。

 言語論として取り上げられることが多い<指示表出>と<自己表出>。文芸批評のツールとして考えられた概念装置なので当然かもしれません。名詞を指示表出、助詞を自己表出のそれそれ両極として解説した図表のせいか、品詞分類のひとつだと誤解されていることもあるようです。

 吉本が大きな影響を受けた三木成夫の最初の著作「解剖生理」にはアリストテレスとビシャの影響で人体を構成する諸器官が植物性器官=内臓系と動物性器官=体壁系の2つに色分けされて記述されている…ということを、文芸評論家の加藤典洋氏が指摘しています。
 この内臓系と体壁系の表出がそれぞれ自己表出と指示表出になるものです。

 ハイイメージ論では内臓へ由来する価値の経路を示した思想家としてA.スミスも取り上げられています。経済学でも限界効用は内臓に規定され、労働価値は体壁に規定されているワケで、考えてもみると興味深いものがあります。

           
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 加藤典洋氏が<自己表出><指示表出>についてとてもわかりやすい紹介をしていました。

 吉本は、1960年代に著した言語論の中で、
 言語を書き手の思いを負荷として担っている部分と、
 書き手の意図を負荷として担っている部分との「共存」として考えればいいと考え、
 そのそれぞれの部分を自己表出、指示表出と名づけた(『言語にとって美とは何か』)。

                                                   (「人類が永遠につづくのではないとしたら」P390)

           
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『言語にとって美とはなにか』…「自己表出」「指示表出」「共同幻想」

心的現象論序説でみた<自己表出>と<指示表出>

指示表出と自己表出の可能性

2つの表出…指示と自己

<内コミュニケーション>という無意識

イメージを生むもの…とは?

言語とイメージが探究される理由は? 2

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