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« スタートでありゴールでもある…2つの心的現象論 | トップページ | <大洋>がメタフォアとなるベースが明かすもの »

2015年11月30日 (月)

2つの表出…指示と自己

 「指示表出」と「自己表出」の2つは「共同幻想」という言葉とともに有名?な吉本ターム。

 沈黙は幹だ…この『「芸術言語論」への覚書』やその講演である『吉本隆明 語る ~沈黙から芸術まで~』で話題になった言葉「沈黙は幹だ」は自己表出を指したもので、幹に対して枝葉である指示表出との関係を示しています。詩人である吉本さんらしい文学的な換喩ですが、思索者あるいは理論家としては『言語にとって美とはなにか』『心的現象論序説』で緻密な考察がされています。特に心的現象論における言語への考察は、『序説』でも『心的現象論本論』でも人間の根源を解く鋭いものになっています。そこでは<自己>と<指示>という2つの概念へのアプローチも用法もより細分化されています。

 それは<自己確定>と<指示決定>という言葉に再定義できる内容となっています。

 自己表出というものは自らの価値判断を前提とするもので、いわゆる自分そのものの表出。そのために{<自己>が(自己を)<確定>するもの}という根源的な定義があります。自らの意志による価値判断に基づく表出ということです。その初源を抽象すれば(自己による)<自己抽象(性)>になり、これはあらゆる認識の<概念>形成のベースとなるものです。
 指示表出というものは自らの価値判断とは無関係に他からやってくるもので、他者によって{<指示>され<決定>されているもの}であり、初源の定義は他からやってくるという(自己による)<関係(性)>だけです。これはラジカルには<自己関係(性)>であり、あらゆる認識の<規範>形成のベースとなるものです。

 意志、価値、関係などのタームは最重要なものでありながら思想や哲学をはじめ一般的にも明確な定義をされていることがあまりありません。『言語にとって美とはなにか』では『心的現象論序説』の言語論などと照応しながら根本的な定義がされています。


     言語の意味とは意識の指示表出からみれば言語構造の全体の関係である。
            (『言語にとって美とはなにか』 第Ⅱ章 言語の属性 「1 意味」P73)

     意識の自己表出からみられた言語構造の全体の関係を価値とよぶ。
            (『言語にとって美とはなにか』 第Ⅱ章 言語の属性 「1 意味」P85)


 自己(身体と場)に対する認識があらゆる認識の原点にあることは発生学的にも遡行できますが、何より三木成夫氏の解剖学によるマテリアルな基礎づけのもとにフロイトやヘーゲルなどを参照しながら思索を深めた吉本理論のオリジンがここにあるといえるでしょう。

 吉本隆明さんの言語論であまりにも有名な指示表出と自己表出という2つのターム、。マルクスで有名になった上部構造/下部構造のように分析や思索するときの機能的なツールとしても便利なものなのではないでしょうか。それらを駆使した分析やクリティークの登場が待たれます。


           
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『心的現象論序説』は個別科学ではなく、すべての認識が個人の心的な現象であるという [続きを読む]

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