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2012年6月29日 (金)

3つの細胞の由来

 受精卵が胎胚細胞に発展するときに3種類の細胞ができます。
 内胚細胞、中胚細胞、外胚細胞3種の胚葉細胞です。
 人間のすべての細胞はこの3つの系統のどれかからできます。

 やがて内胚は内臓、中胚は筋肉や骨格、外胚は皮膚と目などの感覚と脳になります。
 機能的には内臓は植物系、筋肉や骨格は動物系だといえます。つまり植物系は無意識でも働いていて、動物系は意識してはじめて運動するということです。
 根源的には植物系は恒常的な生命の維持そのものが目的であり、動物系は外部に働きかけて栄養などを獲得することが目的です。
 外胚から発達する神経系である皮膚や感覚は外部の情報を収集します。そして脳がそれを認識し内臓や筋肉へ指示をだします。脳は外胚から内部へ陥入した器官です。

 現実にはこれらの3つの系統の器官は相互に絡まって1つの器官や組織を形成して機能し、全体として身体と心身のシステムを構成しています。
 肺のような器官は恒常的に無意識に呼吸していますが、それを意識的に止めることもでき、また敏感に空気の汚れを感じて反応したりもします。肺では3つの細胞の由来が機能として1つに統合されているのです。そして運動やストレスで呼吸が乱れるのは人間だけだといわれています。

 このことは人間だけが3つの細胞の由来が身体心身のいろいろな面で統合されている可能性を示しています。それは逆に3つの細胞の由来がそれぞれいろいろなところで表出する可能性を示してもいるでしょう。普段は無意識に働いている呼吸を意識的に止められるように、無意識な身体的な反応や機能をコントロールできる可能性があります。たとえば便意や尿意も意識的に止められます。このことは反対に意識的な機能や行為が無意識や意識できないものによって影響を受け左右される可能性も示しています。それは緊張やストレスで汗をかいたり震えたり血圧が上がったり....さまざまな現象が考えられます。そればかりか現実には意識そのものが無意識に左右され影響を受けています。

 結果としてそれらの究極の現象であり、あるはそういったことの原点だとも考えられるのが例えば統合失調症です。そこでは考えてもいないのに考えが浮かび、見てもいないのに幻覚が観え、聞いてもいないのに幻聴が聴こえます。

 吉本隆明さんこの統合失調症の由来を三木成夫さんの解剖学、フロイトの心理学などを援用して考察しています。
 それは逆に統合失調症的な症状から人間の可能性を探った論考だともいえます。ハイ・イメージ論などに結実したJ・ケージやニーチェ、カフカへの論考にそれらはダイレクトに表出しています。

 人間が植物系、動物系、神経系の3つの細胞から形成される事実からの論考は、身体に依拠しながらも身体に還元できない心的現象を、ギリギリまで追い詰めたものでもあるでしょう。


 日本のポストモダン的なトレンドのスタートを準備した市川浩身体論なども、三木解剖学の知見に大きな影響を受けています。(思想(史)的には中村雄二郎の『共通感覚論』がある)

 

『ハイ・イメージ論Ⅲ』で共同幻想への最後の思索を巡らせた吉本隆明さんは、『心的現象論本論』で個体への徹底的な考察に入ることになります。心的現象としても神経生理学や解剖学的な見地としての閾値の問題としても、リアルな個体の問題がフォーカスされていきます。



           
胎児の世界―人類の生命記憶 (中公新書 (691))

著:三木 成夫
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 これら吉本さんの全体像を総合して考えると、そのスタンスは市井の思索者だったというよりは完全にノンジャンルのオールラウンドな知識人だったことがわかります。市井であるのは、倫理の問題としてであり、自ら肩書きを拒否し続けることによって“よき人々との別れ”を活かし?続けたようなイメージがあります。物語としての悲劇が永遠であるように、永遠の倫理を自らのものとしようとしたかのように、別れを反芻したのではないでしょうか。

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