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2011年12月27日 (火)

「アタシのことが…」女神という巫女

「アタシのことがキライでも」…から


アタシのことがキライでも
AKBのことはキライにならないでください


 …このあつことは違う、より本質的に巫女タイプであるメンバーがいる。
 AKB48初期にあつことともに2トップとまでいわれた小嶋陽菜こじはるだ。
 彼女は小学生の頃からレギュラー番組を持つほどのプッシュと人気があり、業界歴は長い。天然とも計算ともいわれるキャラはプライベートでは誰にでも好かれるもののようだ。だがこじはるは言葉が巧みでもなくパフォーマンスもおとなしい。NHKのドキュメントで目標をきかれて「このままでいたい」とだけ語った彼女には、このまま/ではないところでは自分が通用しないことへの自覚があるのかもしれない。
 同じドキュメントで「永遠のアイドル「考え中」と答えたのがゆきりん柏木由紀)とまゆゆ渡辺麻友)。理由はちがっても<いま/ここ>を全面肯定しそこに大きく依存していることへの自覚では、この3名は同じなのだ。AKB48を自分の夢の実現のためのステップととらえるその他のメンバーとの際立ったちがいがここにある。今の姿が、AKB48であることが…目的である者と女優や作家や声優になることが目的であることのスタンスのちがいだ。この3名の順位が上昇したのはAKB48的なものが評価された証拠だろう。

 逆に順位を下げたものもいる。絶対に崩れないはずの神7から板野友美ともちんが脱落し、秋元康が10年に一人の逸材という松井珠理奈じゅりなも順位を下げた。AKB48を知らない人からも容姿やファッションが評価されるともちんはその分だけAKB48的ではないのかもしれない。オリジナルなAKB48よりプロ志向が強く粒ぞろいともいえるSKE48はAKB48が初めて初週ミリオンを達成した頃にはavexへの所属が決定していた。SKE48で小学生デビューでもあったじゅりなはドキュメント番組まで作られている。こういうプロぶりがAKBらしくないと評価された可能性もあるのかもしれない。

 象徴的なのは高橋みなみたかみなの順位だ。
 秋元が「akbとは高橋みなみのことである」という高橋みなみ=たかみなもワンランク順位を下げた。これは「会いに行けるアイドル」からマスメディアの人気者でありミリオンを連発するようになったアイドル(プロ)への変遷を象徴しているだろう。予定調和を避けたい秋元は誰でも会いにいけるアイドルとマス・メディアに乗るアイドルとのきわどいバランスをキープしつつAKBをプロモーションしているようだ。「たかみなの順位に注目している」…総選挙の直前に秋元は多少緊張しながらそう答えている。たかみなの順位の変化は圧倒的にマス化しはじめたAKBの現状をそのまま反映したものなのだ。そしてこじはる、ゆきリん、まゆゆの順位の上昇はAKB的なものへの支持が一般化したことを示しているのだろう。AKBのスタイリスト茅野しのぶがNHKの「東京カワイイTV」で今年はオタクがメジャーになると指摘(宣言?)したのは勝利宣言でもあるかのような気がしたほどだった。それがオタク的なものAKB的なもののメジャー化という避けられない矛盾をともなうものであることもたしかだ。

 順位を急上昇させたのが指原莉乃さしことゆきりん。どちらもTVにレギュラー番組を持っている強さもがある。ヘタレとして人気のさしことお天気おねえさんとして世代を超えて知られているゆきりんはそれぞれファンを急拡大させた。さしこは実験番組ではありながら異例の放送期間の延長までした冠番組の最終回で、お父さん番組終ちゃった…と泣きながらコメントしたラストはベタもネタも超えてある意味リアルだった。AKBのリアルというものにシンクロできるのがファンなのかもしれない。

 19thシングル選抜じゃんけん大会では優勝し「チャンスの順番」で初センターをゲットした内田眞由美うっちーへの評価が興味深い。ここでセンターになれなかったらAKBを辞めようと思っていたといううっちーのコメントに対して、そのネガティブさを批判する意見が殺到し、先の選抜総選挙でも順位は圏外にとどまった。あくまでポジティブでいくのがAKBファンなのだ。

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 こじはるは同期や同世代以外とのコミュニケーションが少ないらしい。レポートなども上達?しない彼女はどうも言葉によるメッセージも稚拙だ。「このままでいたい」という彼女は「わかってほしい」ともいう。演技が大根とも評される北川景子と同じような悩み?をこじはるも持っている。女性たちから女神ともいわれる彼女の容姿はメンバー間で彼女の取り合い?になるほどだが、新橋駅前でサラリーマンのオヤジにインタビューすると驚くほど「こじはる!」「はるにゃん!」一色でもある。このことが物語っていることは意味深い。有名お笑い芸人が深夜に出待ちで待ち伏するほどの人気なのだ。またプロのファッション評論家が驚くほどファッションセンスがいい。このセンスの良さはAKB全体100数十名のなかでこじはる、篠田麻里子まりこ、ともちんの3名がダントツだ。

 容姿とセンスそして歌唱力にめぐまれながらも言葉に巧みではなくパフォーマンスが弱いこじはるには本質的に巫女的なものがありそうだ。占い師に外見に魅力があって(も)中身は全然何もないと断定されるところが、ある意味まるで巫女なのではないかと思わせたりもする。巫女は共同体の予期の入れ物であり期待の鏡であって主体性があってはならないからだ。

 冗舌な巫女は信頼されない。なぜならそれは知識人だからだ。言葉巧みである知識人は常に言葉と知見のチェックを受ける。それが彼らの運命だからだ。言葉のすくない巫女たちは周囲をミメーシスするようなパフォーマンスを日頃から求められる。それが彼女らの役目だからだ。巫女から知識人への変遷は如実に言葉に現れる。このことをベースにした吉本隆明の詩論は、ここまでも射程においているといえるだろう。

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 プライベートでは「暗い」と自称するあつこやたかみな。AKBがなかったら自分らには何もなかったともいう。結婚なんて想像もしないとも。彼女らにあたえられたステージはより普遍性を増しつつ拡散する運命にある。ただ共同幻想論でいう巫女と異なるのは家ではなくともいつでも帰れる劇場があることかもしれない。会いにいけるという対幻想の束の間の充足に惹かれるファンと、応援してもらえるという巫女たちのゲームをビジネスモデルとしてAKBは生まれたのだ。

 現在メンバーは恋愛禁止をはじめとしたいくつかの掟のもとにある。注目され期待されていた数名のメンバーや研究生らがAKBを去ってもいる。ステレオタイプにさまざまなオタクを集めてつくった中野腐女シスターズが音楽活動を停止するいまAKBはメジャー化という根本的な矛盾へ向けてダイブする運命にあるしそれしかないだろう。NMB48が所属の吉本興業から?と評価されだしたらしいが、メジャー化を指向するのがあたりまえの世の中で、AKBに求められている課題は小さくはない。普通の女の子に戻るしかなかった伝説のアイドルグループ、キャンディーズ。女子大生ブームをブームで終わらせてしまったオールナイトフジ。それなりの結果を残したおニャン子クラブ。このいずれとも違った展開が期待されるはずのAKBの今後は予想がムズカシそうだ。

 学者が書いたあるAKB分析?本でもこじはるは名前が出てくるだけでまったく考察されていない。理由はカンタンで単に考察できないのだろう。それほどこじはるの手がかり?となるような表出が少ないのかもしれない。しかしそれこそがある意味で巫女的なものであるとすれば、共同幻想論的なものが吉本にしか書けなかった証左でもある。誰にも明らかな手がかりがなければ考察できないような能力やスタンスで何が考察ができるのか?

  巫女はこのばあい
  現実には<家>から疎外されたあらゆる存在の象徴として、
  共同幻想の普遍性へと雲散していったのである。
『共同幻想論』

 こじはるだけが恋愛禁止を解かれる可能性について秋元はどこかで触れている。その意味するところが巫女的なものからの離脱であるとすれば、時代はそれだけ進歩したといえる。雲散することなく日常への平穏な着地を見送ることをできるシステムを秋元は<卒業>として設定した。巫女というノンバーバルな表現主体をプロデュースする秋元は自覚なき(古代の)知識人といえるかもしれない。

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 AKB48からのスピンアウトユニットでこじはる、たかみな、峯岸みなみみぃちゃんの3名で構成されるno3bがある。3名とも歌もダンスもうまいのは当然、ガチャンピンともニックネームされるみぃちゃんの歌唱力はバツグン、たかみなはもともとソロシンガー志望、AKBオーディションでプロを感心させたこじはるの歌。最大の特徴は3名のキャラがバラバラなこと。最強ユニットといわれる理由はそこかもしれない。20年後も芸能界に残ってると秋元が保証するみぃちゃんはトークが上手くAKBメンバー中では頭の回転が早くて一目置かれている。このno3bというたった3名での構成員の幅のひろさがポイントだ。AKB48初期にあつことともに2トップを飾ったこじはるとAKBの顔になりつつあったたかみなをあわせ、ダークホース的にみぃちゃんを組ませたユニットは、AKBをめぐる情況をある意味で打開していった。ただのアキバローカルな存在?とも思われかねなかったAKB48がメジャー化への意志を示した第一歩にみえた。権力が2名でも生じるように、「多様性予測定理」は3名でも発現する。

 こじはるの雰囲気に恐れをなして1年間も口をきかなかったたかみなと、こじはるに一生けんめい話しかけ続けたみぃちゃんとこじはるのユニット。no3bはいま仲がいいことをひとつのウリにもしているほどだ。<純粋ごっこ>と吉本が指摘した青春期ならではの友だちの関係をトレースすることは最大のSPかもしれない。ジジェクが現在というものを<ソーシャルまで売りやがって!>というのはきわめて正しいだろう。問題は買えるかどうかなのだから。

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