OnePush!お願いしまーす!

無料ブログはココログ
2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

とれまがブログランキング

« 『共同幻想論』・他界論から考える | トップページ | 『「正義」について論じます THINKING O 第8号』…<近接性>とは? »

2010年12月 1日 (水)

『共同幻想論』・他界論から2

 社会的な利害と無関係、あるいは現実とは無関係である関係意識(共同幻想・公的関係の心的現象論上の呼び方)={<現実と無関係>という関係}から生成する<他界>の観念。別の言い方をすれば空間性に還元できない観念ということになります。他界は言葉という概念に刻印できても現実には存在しません。存在しない世界についての観念=関係意識であり、起点となる根拠はその関係意識そのものにしかありません。

 同じように認識(関係意識)の根拠が認識(の構造)そのものにしかない心的現象として<夢>があります。『心的現象論序説』のⅥ章「心的現象としての夢」では夢について〝対象が<身体>の外部に実在しない〟から〝無定形な空間化度にすぎなくなる〟というシンプルでストレートな定義がされています。
 ここには〝対象が<身体>の外部に実在しない〟場合の共同幻想=他界との共通点や他界を考えるときの大きなヒントがあります。

 関係意識そのものにしか根拠をもたない<他界>への論考は現象学や実存哲学のようにラジカルですが、デコレートされることも恣意的なテキストであることもありません。
 自己同一(自己抽象)性と自己関係(自己対象)性を同致する根源としての現存性の意識の探究。自己同一(自己抽象)性と自己関係(自己対象)性が<いま・ここ>の現存性の意識によって同致されて成立している<わたし・だれ>という自己幻想(自己意識)へのラジカルなアプローチがそこにあります。

   対象が<身体>の外部に実在しないことから、
   心的な受容の空間化度は、
   それぞれの感官に固有な水準と境界をもちえないで、

   無定形な空間化度にすぎなくなる…
                (『心的現象論序説』【Ⅵ心的現象としての夢】P188)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【他界論】

 <他界>は現実(の共同利害)と無関係の共同幻想であり、「<他界>は<時間>性としてしか存在しえない」のですが、「<死>が…対幻想の<作為>された対象として関係づけられたとき」は空間化します。つまり{<現実と無関係>という関係}から生成する共同幻想としての<他界>が、ある時間を経て対幻想の作為の対象と化せば空間性として表象する、ということです。共同幻想の対幻想化です。

 共同幻想は対幻想から遠隔(対称)化したものとして生成しますが、共同幻想の対幻想化は近隔化といえるかもしれません。(<近隔化>は『心的現象論序説』に登場する概念。)

 死というものは自ら体験できないために、(他人の)死は認識の対象としてしか認知できません。つまり関係意識(の認識対象)としてしか認識できません。しかし自らの対幻想に作為として対象化すると空間性として表象します。
 たとえば<他界>を表象するものとして、この空間性を対象とした現実的な行為が土葬(埋め墓にすること)であり、時間性としての認識(行為)を表象するものが詣で墓(墓参り)であることが説明されています。つまり個人が現実に行為する対象としての他界…対幻想化した共同幻想の象徴としての形態とその形式の表象です。

 古墳時代の<他界>観念を埋葬形式から論じた大場磐雄の論考を参照しながら、<他界>の観念が、古墳時代前期には共同幻想から<時間>的に疎外された観念として存在し、中期、後期には<空間>的に疎外された観念として存在したとし…そこから観念の変遷ではなくマルクスのように生産様式の変化が読み取られています。(観念(だけ)の変化とその階程としては『心的現象論序説』がフォローする領域のテーマです。)

 下部構造(生産緒関係)の自然過程に対して、上部構造=共同幻想・公的関係がどのように作為的に構造化するか? この一点の典型として<他界>の観念形成が探究されています。それは個体幻想から宗教や国家までを射程としたマルクスの論考と照応しますが、共同幻想論のターゲットである巨大で複雑で細密な「共同幻想の<アジア>的特性」(よりプリミティブなのがアフリカ的段階)は現在もハイイメージとして進行形です。

« 『共同幻想論』・他界論から考える | トップページ | 『「正義」について論じます THINKING O 第8号』…<近接性>とは? »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/24896/50182004

この記事へのトラックバック一覧です: 『共同幻想論』・他界論から2:

« 『共同幻想論』・他界論から考える | トップページ | 『「正義」について論じます THINKING O 第8号』…<近接性>とは? »

にほんブログ村

ネタ本 アザーコア

オススメ DOYO