バブバブ・リーチング
赤ちゃんはリーチングする。
手を伸ばしてブンブン、足をバタバタ。手足を伸ばしたりちぢめたり。
バタバタ、ブンブンの目的はただ一つ。自分をアフォードしてくれるものを手さぐり足さぐりして探してるワケです。
そして、このリーチングは胎盤にくっついてる時からシワシワのジーちゃんバーちゃんになるまで続きます。しかも、このリーチングは物理的な身体の運動としてだけではなく、観念の運動としても働きます。人間が人間になっていくのは、この観念のリーチングのおかげ。
それが、心ですね。その動きが心的現象です。
観念の運動として自己意識が起動しはじめた頃から活発化するのは象徴界のリーチング。つまり指示決定を探すこと。 親は子にリーチングの対象となるものを与えます。食事から躾、教育、社会経験…。
人がリーチングしていく、この姿が物語の典型例です。
そのメガトレンドは、歴史?
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ところで、指示決定や象徴界を消失したらどうするか。
リーチングしても何の手がかりも無かったら?
あるいは物語が消失していたら…。
答えはカンタン。どうもせず代替機能とその運動が即座に起動すると考えられます。(<病>は代替機能の結果の一つです)
想像界だけでリーチングするワケです。
想像力と思考能力を駆使した想像界でのリーチングとファイト? そのぼう大な結果は、世界そのものの情報(量)としてアーカイブされてきた、K,Marxが本源的蓄積と呼ぶような全人類の全世界史的な<データ>…個にとっての環界です。
それを自分のものにする=内化するには、まず、環界=世界にアプローチしていくという<関係>が前提にあります。<関係>のポイントはいくつかあって、ひとつはデータを感受するための感性のシステムである<知覚>。 ひとつはアプローチする<力>としての<労働>。
<データ>に感覚器の<知覚>でプラグインして、想像力と思考で<力>をコントロールしながらアプローチする。ポイントは<コントロール>。自己をコントロールするワケです。
想像界の最重要ポイントは自己コントロール....つまり自己言及することなのです。
自己コントロールされてない知覚のプラグインは、単に陶酔や薬で飛んでるだけの世界であり、これらが何のカルチャーも生めない理由もそこにあります。それは自己コントロールゆえの認識ではないから。抑圧・去勢されていないから、です。単なるジャンクであり、たいていは何の強度もなくフラットでしかないもの。
そして自己コントロールされてない(できない)もうひとつの状態が<病>。
自己コントロールできないゆえのオカシサさと、
自己コントロール外で指示決定されてしまうというハズれ方。
このハズれ方を社会的に制御したものや個人的に認知したものはあり、祭りや神事として、あるいはサブカル的なものとして社会や個人の範囲内という限定付で認知を与えられコントロールされていきます。
すべてをビルトインしていく資本主義とその階程ごとの認識と表出が必要となり、また生成します。
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(2001/9/15)
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