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2009年1月10日 (土)

『母型論』は系統発生OK

『ハイ・エディプス論 個体幻想のゆくえ』

 『母型論』はワリとわかりやすく心的現象論を理解できるのでオススメです。
 『心的現象論序説』ではその後展開される吉本理論の基本概念や理論の基礎が構築されました。この『母型論』では心的現象のプレエディパルな部分を内コミュニケーション機能から解き明かしています。三木成夫を参照した以降の吉本理論(心的現象論)の基礎が言語論まで包括されてダイジェストのように提示されます。系統発生と受胎以降の発達をターゲットにした内容は、ラカンをはじめとした人間として形成された(以後の)個体を対象とする精神分析や心理学などに不足した部分をメインに展開される理論でもあり、必読の書です。

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 本書が初期3部作の、特に『心的現象論序説』の基本タームと理論の上に構築されていることに驚き、感心してしまう。たとえば、その一つは<純粋>概念をはじめとした理論展開だ。極論すると『心的現象論序説』とその後のその他の各種の論には認識論的切断がなされているのだが、そのうえで展開されるこの『母型論』にも『ハイ・イメージ論』にも、見事なほど『心的現象論序説』の基本概念にそった理論構築がされていて、ある種驚異的なものさえ感じることが出来るのだ。

 『母型論』ではもちろん『ハイ・イメージ論』の<パラ・イメージ>や<世界視線>という概念においても、そしてウイトゲンシュタインやソシュール、ラカンなどを取り上げる場合でも、この<純粋>概念をベースにした概念が決定的な意味を持っている。オートポイエーシスにおける<境界>に相当するような意味も含んでおり、その汎用性も普遍性も高いが、これほど知られていない?と思われるタームも少ないかもしれない。

 三木成夫の発生論的な認識をベースに、生命行為があくまで無機質からの遠隔対称性的な営みであることを示差しつつ、宗教へのジャッジとアフリカ的段階への射程を披露していく吉本の歩みは、この人が世界レベルの思想家であることを示すものだと思う。ここまでトーナリティを維持してきた思索を読めることは幸福だと思わせるほどだ。

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母型論

著:吉本 隆明
参考価格:¥1,890
価格:¥1,890

   

2004/8/23
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「『書 文字 アジア』という贈り物」 に『母型論』と視覚、形態、概念、規範といったものをトータライズしようとしたハイ・イメージ論のベーシックな試みに触れる『書 文字 アジア』の書評があります。シズル感あふれる「与論島クオリア」のコンテンツです。

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