OnePush!お願いしまーす!

無料ブログはココログ
2023年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

とれまがブログランキング

« バブバブ・リーチング | トップページ | In A Silent Way »

2009年1月20日 (火)

心的システムという究極

 心的システムという究極へ向かって生成するのが心的システムそのもの。境界を自己生成するという生命の特徴そのものを論拠としたクールなオートポイエーシス理論はラカン派がシステム理論との融合?をトライするキッカケを作ったりしました。<境界>そのものは何なのか?というオーダーをすれば吉本理論からの次のステップである<境界=ゼロ>のヒントとなります。<自他不可分>の<純粋疎外>状態の定義です。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『オートポイエーシス―第三世代システム』 (河本 英夫・青土社)

 従来のシステム論を超える第三世代のシステム論として「オートポイエーシス」が考察される。結論からいえば「オートポイエーシスは境界をみずから作り出すことによって、そのつど自己を制作する」と著者は考える。
 そこでオートポイエーシスのなかでも最も複雑で典型的な自己言及システムである心的システムが考察される。心的システムの固有の特徴として観察システムの出現が指摘され、最終的な問題提起がなされていく。観察システムの本性として「自己を世界との関係で捉え」ることが論証され、ルーマンやドウルーズへの批判的な検討とともに無意識への否定が示され、システムの基本的定義に戻る....。
 カフカの『審判』を題材にした終章は『審判』そのもののように開いたまま閉じられる。それは読者個別のそれぞれの現実に作動可能な一冊だということを示してるようだ。

 本書は理論書だが、本書から大きな影響を受けた本として斎藤環の『文脈病』があり、斎藤の現在の批評活動そのものもシステム論との反復作動が目立つ。

 またオートポイエーシスの最重要概念である「自己の境界を区切るというシステム-環境」を支える「位相学的座標軸」などは、ほとんど吉本隆明の『心的現象論序説』における基本概念の「原生的疎外」「純粋疎外」などの位相学的構成 とオーバーラップする。
 本書はさまざまな散種が期待される一冊だといえるだろう。

           
オートポイエーシス―第三世代システム

著:河本 英夫
参考価格:¥2,730
価格:¥2,730

   

(2004/3/26)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

« バブバブ・リーチング | トップページ | In A Silent Way »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 心的システムという究極:

» CO2排出量削減のためにできること(調理) [この星を滅亡させるな 〜地球にやさしく〜]
毎日の家庭で、食事の支度をちょっと工夫するだけでも省エネ対策ができるのは皆さん、ご存知ですか?どうやって調理するば、省エネ対策ができるのかコツをご紹介してみましょう。 まずは鍋にかける火の調節からです。ガスコンロで火を強いほうがいいと言って最大にして調理する人がいますが、鍋の外にはみ出すくらい火を強くしても鍋の大きさに収まるくらいの火力にしてもあまり変わらないということが分かっています。変�... [続きを読む]

« バブバブ・リーチング | トップページ | In A Silent Way »

にほんブログ村

ネタ本 アザーコア

オススメ DOYO