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2007年2月 8日 (木)

無意識の多重性

●無意識には2つある

 無意識つまり意識できないコト、対象化できないコトには2つのレベルが考えられます。位相的には<内部への認知>と<外部への認知>それぞれにともなう矛盾として把握できます。
 それぞれに大きな特徴があります。

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 哲学的心理学的な思索からはじまった『心的現象論序説』ですが、その後吉本理論は三木成夫の解剖学を参照し具象性が高くなります。そこでは<内部への認知>と<外部への認知>はそれぞれ<植物的階程><動物的階程>に対応するでしょう。ここでは論理的な展開として考察し<自己言及>とその限界と矛盾である<ゲーデル問題>として抽出しています。

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<内部への認知>は絶対に言及できないモノゴト≧自己そのものを動因としています。<外部への認知>は認知を予期できる可能性を担保として作動します。

自己言及が不可能な領域   (自己矛盾)
  ゲーテル的限界を特徴とする自己言及できない領域としての無意識
  自覚できない自己意識としての無意識

 <内部への認知>は絶対に言及できないモノゴト≧自己そのものを動因とする
 あるいは
 絶対に言及できないモノゴト≧自己そのものを動因とする<内部への認知>
 ....以上のように考えられます。

不可知な領域としての無意識   (認知不全)
  指示決定されながら自己確定不能の対象(性)としての無意識
  外部からの情報に対する不可知であるがゆえの無意識

 <外部への認知>は認知を予期できる可能性を担保として作動する
 あるいは
 認知を予期できる可能性を担保として作動するのが<外部への認知>
 ....以上のように考えられます。

 

●自覚できないことの多重性

 無意識つまり意識できない、対象化できない、自覚できないというコトによって認識にさまざまな不確定と不安定が生じます。この不定性そのものが心的な動因そのものになるのですが、認識そのものの不定性≧流動性もまた再生産されるコトになります。

 この不確定・不安定という不定性はそのまま<感情>となります。より正確には価値判断以前の<中性の感情>として、あらゆる心的現象の動因であり認識の前提でもある心的状態です。

 不定性の再生産は、上記の<内部への認知>(自己矛盾)と<外部への認知>(認知不全)が相互に循環する構造をもっているコトによります。

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 <内部への認知>における<絶対に言及できないモノゴト>に対して、心的システムはシステムの安定のために<あるモノゴト>を代入します。この作用=力動は心的現象の中でいちばん根本的なものであり、強度そのものだといえます。
 また
 <外部への認知>における<認知できる可能性(という担保)>は、心的システムの拡大のための動因であり、環界へのアプローチ基本となる強度です。

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 <絶対に言及できないモノゴト>に対して代入される<あるモノゴト>はドコからくるか? 何に由来するか? という問題があります。これが心的現象におけるいちばん根本的で、究極の問題であり、ただひとつの答えでもあるものです。
 <絶対に言及できないモノゴト>に対して代入される<あるモノゴト>とは、<外部への認知>そのものなのです。この認識の循環が心的システムそのものであり、その発現が心的現象そのものとなります。

       -       -       -

 論理的に自己言及不可能という自己矛盾(内部への認知)を解消するために、そこへ言及可能な環界への認知(外部への認知)を代入します。代入はあくまで代入であり、何を代入しても暫定的、蓋然的に心的な安定性を得るだけですが、この暫定性こそが<生きていく>理由そのものだと考えられます。<死>は環界への全面的な復帰であり、心的には突然の終了でしかありません。

(2005/5/13,2009/3/16)

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