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2007年1月18日 (木)

吉本理論は難解か?

 それなりに知られている「共同幻想」とか「対幻想」という言葉があって、思想や社会を語るときに使われたりするし、このタームの発案者であるハズの吉本さんやその思想を論議するときにも、当然のように使われます。

 ところで、その吉本さんの思想で、いちばん基本となっている著作が『心的現象論序説』です。この著作は難解なことでも有名で、おそらく日本の思想哲学などの類で最も解読困難なものなんでしょう。内容的には理系的概念が駆使されているので、ある意味では明晰な理論なのですが、実際には理解した上でと思われる批評や論議がほぼ皆無なことから、ほとんど理解されていないとも考えられます。

 当然のように語られている「共同幻想」や「対幻想」といったタームについても不思議なことがあります。吉本思想のいちばんの基本である、この『心的現象論序説』には「共同幻想」や「対幻想」といった言葉は出てきません。
 「幻想的共同性」と「幻想対」という言葉が角川文庫版(絶版?)ではP30に出てきますが、他には「共同観念」や「自己妄想」といった言葉があっても「自己幻想」や「個人幻想」といった言葉もありません。

 『心的現象論序説』には「原生的疎外」「純粋疎外」という、おそらく吉本思想のいちばんの基礎となる概念があります。フロイトの原理論をマルクスの疎外概念で考察し直したものをベースとしたものですが、現代を分析した『マス・イメージ論』『ハイ・イメージ論』の重要な概念も、この「純粋疎外」を前提として形成されています。ところがよく使われる「共同幻想」や「対幻想」という言葉とは違って、この<純粋>概念に関してはほとんど言及されることさえありません。吉本思想のいちばんの理解者だと思われているある学者でさえ「ありがたくない概念だ」と否定していて、自らの理解が及ばないことを隠蔽しています。
 

 「世界視線」「パラ・イメージ論」で駆使される概念や論考も、この<純粋>概念を土台に構成されたものであり、そこでは自在にヴィットゲンシュタインやソシュールが批評されています。
 この<純粋>概念に近いものでとても優れた概念としてオートポイエーシスの「位相」概念があります。これは理論的孝察を推し進めるためにシステムの空間的位相を仮構しようとするもので、吉本理論において「原生的疎外」や「純粋疎外」の概念が用意されたのと同じ事由とみなせるものです。ただしオートポイエーシス理論ではシステムの外部からの情報を撹乱としてか定義していないようなので、現実の生きている心的システムを考察するには致命的な盲点があります。

(2004/7/31)

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